【短評6】8000~20000字まで/9作品
〖8000~20000字の作品の傾向〗
怪異の一発ネタにとどまらず、「霊能者」をしっかり使って物語を解決に導いているものが多いと感じました。もちろんホラーであるため「一生懸命やったけどダメだったよ」というのも含めて、怪異と対決する姿勢があるのはわくわくします。短い募集期間でしたが、力作ばかりありがとうございました。
【餌取聡と祠の邪神/黒本聖南】現ファン:8,296字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086804826971
〇女子高生が祠おじさんとかっこいい怪異を退治する話です。
☆祠壊し文学にあまり期待していなかったえっちな感じがビンビンで感動しました。怪異を封じる流れで悲しい部分はあっても、その後に続くような展開でにっこりです。面白かったです!
【祠壊師たち【祠壊し文学】/鳳 繰納(おおとり くろな)】歴伝:8,349字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086549358050
〇詐欺集団の祠壊師たちが祠を壊させる話です。
☆今流行の地面師のオマージュですが、祠壊しの文脈にしっかり乗っ取っていて最高でした。罰当たりどもに罰が当たるシーンは圧巻で、詐欺シーンと合わせて読みたいところです。
【アメノとハバキリ/デバスズメ】現ファン:8,857字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086975402716
〇二人組で怪異をやっつける話です。
☆祠を壊すと怪異が飛び出すという「祠壊し」のギミックを逆手にとった発想がとにかく面白かったです。バディ物としても面白く、事件をすっきり解決できたのもよかったです。
【「あの祠に近づくな!」ってうるさいホームレス燃やしてみたったw/大萩おはぎ】ホラー:9,278字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086598778376
〇悪ガキが祠にいたずらしようとして大変な目に合う話です。
☆よくある罰当たりな祠壊しと思いきや、襲い掛かる怪異に解決法を見つける主人公の壮絶さが良い感じのホラーです。社を破壊しないで暴力行為が描かれているのもいいですね。
【故郷の祠を破壊してふたりで器物破損罪よりすごいことしちゃおっか?/八億児】歴伝:10,017字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086837243975
〇祠壊しを依頼された主人公と柄シャツおじさんが大暴れする話です。
☆柄シャツおじさんの設定がとても凝っていました。怖い怪異や対決シーンなど盛りだくさんの上に即席バディものというところがすごくよかったです!読めてよかった!!
【破壊用の祠を大量に建立して観光客を呼び込みたくさん破壊させて村おこしプロジェクト/イカダ詫び寂】ホラー:11,981字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086849531605
〇村おこしのために祠壊しをでっちあげる自治体の話です。
☆掲示板形式でモキュメンタリー風に怪異をでっちあげる主人公たちと実際に現れる怪異について綴られています。登場人物にクセがあってエンタメらしさを感じられました。
【影は祠へ、僕はテディベアを抱く/阿井 りいあ】ホラー:13,960字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086922360896
〇行方不明になったテディベアを探しにいく少年の話です。
☆初ホラーだそうですが、信じないぞ!めちゃくちゃ怖いし、世界観作られてるし、おじさんの使い方最高だし、後味も悪くない。文脈と場面展開をしっかり抑えているところは本当にプロの仕事だと思いました。面白かったです!
【祠を壊そう。壊さなきゃ。/南雲 皋】ホラー:16,665字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086908702996
〇夢で頼まれたので幼馴染と祠を壊す話です。
☆最初からノンストップで不穏描写が続き、最後までテンション高くホラーを貫いたところが素晴らしかったです。怪異に成す術のない宮司さんの無力感やホースで処理する下りのシュールさなど読み応え満点で楽しかった、いや怖かったです!
【祠の破壊者レイジ/鴻上ヒロ】現ファン:19,499字
https://kakuyomu.jp/works/16818093086552972401
〇悪霊に殺された妻子の復讐のために祠を壊す男の話です。
☆祠壊しを起点としたあやかし系現代ファンタジーです。登場する悪霊の過去が全体的に大変気の毒でホラーとしても楽しめますし、しっかり復讐を果たしたところが大変よかったです。
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