考察とピックアップ
祠壊し文学考察1 全体傾向と壊された祠の数
ここからは全体的に「祠壊し」は何故どのようにして行われたのかの傾向を見ていこうと思います。ちまちま集計したので、短評だけじゃなく、ここも是非読んでいってください。
まず投稿された作品全部のジャンルの傾向です。連載中や長編を含めて以下のような結果が出ました。
ホラー ―――――――――60%(52作品)
現代ファンタジー ――――26%(22作品)
SF ――――――――――― 6%(5作品)
歴史・時代・伝奇 ―――― 5%(4作品)
ミステリー ――――――― 1%(1作品)
異世界ファンタジー ――― 1%(1作品)
詩・童話・その他 ―――― 1%(1作品)
もともとのネタからホラーが圧倒的多数であることは間違いなかったのですが、意外と現代ファンタジー枠が多かったのも印象的です。また他のジャンルで投稿された方たちも健闘されていました。
次は、今回の企画に参加して主催者が読んだ作品のうち壊された祠の数と出現した怪異の数です。なお祠の数は本来「1宇2宇」と数えるそうですが、あまり馴染みがないのでここでは「個」を用いさせていただきます。
それでは発表します。
壊された祠の数、518! 多すぎだろ!!
ちなみに壊された祠の数は、作品内で数が明記されているものなどカウントできるもののみを対象にしたときの数です。「昔から何度も祠が壊されるたび立て直してきた」「一度にいくつも壊した」などカウントできないものは数に入っていません。そういう「多数祠破壊作品」は7作品もありました。罰当たりですねえ!
ところでなんでこんな数になっているかというと、ひとつの作品で400以上壊しているものがあるからなのです。それを差し引くと90個、ただ多数破壊作品や祠を作中で明確に壊していないものもあるので、おおむねひとつの作品につきひとつ壊れていると考えていいと思います。複数祠破壊作品だと最多は6個でした。
次に祠を壊して出てくる怪異は56作品、全体の71%で登場しました。「怪異なしで祠壊しが成立するのか」というところですが、結論から言うと成り立ちます。要は「祠を壊して何か不都合が起こる」があればいいので、ほのぼの路線で言えば「祠を弁償しなくてはいけなくなった」でもいいですし、怖い話にするなら「祠が壊れたのをきっかけに殺人事件が発生する」でもいいのです。そっちのほうが結構怖かったりします。
ついでに企画全体でのカウントできる死者行方不明者数は54人で、「村ひとつがなくなった」などカウントできないほど人が死んだ作品は18作品もありました。罰当たりですねえ!
なお、主催者が短評を書いた分での作品数の文字カウントになると、34万8千字程度になります。それでは次は「祠の破壊方法とその理由」です!
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