帰りついて思うこと
やはり長い年月が経ってしまった。
そういうことを実感した旅となりました。
さすがは東京都市部で、新しい建造物や改装された駅構内が目を引きましたが、通行する人たちの雰囲気もインバウンドを含むせいか、以前住んでいたときよりも大きな変化を感じました。
昼飲みも一部の人たちには当たり前なのか、昼前から営業している飲み屋街には、あきれを通り越して感心してしまいました。
ただ、昼から飲む酒は本当に気持ち良いらしいですね。そのかわり一日、棒に振ると聞いたことがあります。笑
老後、時間をもてあますようなら試してみたいと思います。
昨日、地元に戻る前、そんな目で池袋駅周辺、新宿駅から歌舞伎町からゴールデン街で折り返して大通りを中心に歩き回りました。
女性のメイクにも流行りがあるのか、前より増してナチュラルな感じの人が多くなってますね。インバウンドは派手なメイクをしている人が多いので、余計に引き立ちます。
そのせいか顔色が悪く見えて、元気がないというか、なんだか無表情で浮かない顔している人が多い気がしました。
僕が故郷に帰ったのが2005年だったので、自分の頭にはその時の景色が残像としてあったんですね。
ずっとそこにいる人にしたら、比較対象がおかしいのだと思います。
僕も確かに帰郷してからも、案外いろいろとあって考え方も変遷がありました。
そんな変化を無理やり飲み込むのも、生きるということですね。
一昨日の東中野は、やはりずいぶん過去に二年だけいた場所なので、新聞配達の経路をたどるのに苦労しました。
郵政宿舎が公園に変わっていたり、人けのなかった東京工芸大学が改築されてガラス張りの建物をしきりに出入りする学生たちの姿が見え、異様なまでの活気を感じたりしました。
配達先だった会社はほとんど閉鎖されていて、かろうじて建物が残っているだけです。
かつて酒屋だったところが、半分コンビニみたくになっていて、パンを買いながら、忘れられてるだろうと思いながら、あいさつしてみたのですが、新聞を取っていたことさえ記憶にないようでした。しかも当時の店主か分からないおじいちゃんだったので、何ともいえません。
失われてしまったものが実に多かったのですが、僕にしては意外に感傷的にならずにすみました。
通っていた店もほとんどなくなっていたからか、かえってさばさばした感情が残っただけです。
あの頃、笑い合ったり怒られたりする間柄の人たちがたくさんいましたが、もう僕のことを覚えている人はこの街からいなくなってるんだ。そういう思いが、執着心を断ち切ったのかもしれまさん。
人生とは失っていくばかりだ。
これは僕が抱いているイメージのひとつですが、それだけ自由な心でいられるということでもあると思います。
それを寂しい、悲しいと感じるかどうかは自分しだいなのかな。
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