きっかけはいつも些細な事
なんで
がしゃん。
「あーあ。やっちゃったな、お前。」
周りから巻き起こる笑い声。
その中心で僕はひっくり返したバケツの水を被り座っていた。
「バケツなんかひっくり返しちゃって、掃除のやり直しかぁ。お前が悪いんだしあと全部やっとけよ。宜しくな。」
その言葉でまた周りから巻き起こる笑い声。さっきよりも大きくなって。
可哀想、止めてあげなよ、キモい、様々な声が聞こえる。
教室から全員が出て行った後、僕は涙を必死に堪えながら雑巾で水を片付けていた。
バケツをひっくり返したのは僕じゃない。
クラスのトップの鈴木に足をかけられて転けてしまった。
勿論、わざと。
周りのみんなも気づいているはずだけど僕が勝手に転けたことになっている。
これがイジメってものだ。
悔しい。やり返したい。
だけど僕は一人だ。独りで耐えないといけない。
イジメが始まってもうすぐ半年。
僕は生きていくのが辛くなってきた。
死にたがりの君と僕 楓 @kaede915
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