第5話そろばん
ようやく金が回り出して余裕が出来るように・・・
なので人も雇った。
発色の良い色を選んで、そして現代の発色染法を使った。
使う染料が水に溶けないのが特徴だ。
これもチャットで知った方法だ。
そして老人の亜空間から願うだけで、適した材料が手に入る。
俺にとっては神だ。
化学反応で繊維に染料を吸収させて色を定着させる。
アルカリ剤を加えることで化学反応が起き、直接染料よりも鮮やかで濃い色が可能だ。
「なんて色なの・・・」
「こんな鮮やかな色が布で再現できるなんて・・・」
作業をしている人も驚く色合いで、手の動きも止まったままだよ。
黄色も鮮やかな色合いだ。
「今日から売るぞ」
「旦那様、門を開けますか・・・」
「そうだな開けていいぞ」
店の門を開ける。
え!なんで。
宣伝もしてないのに、客が大勢いた・・・もしかして店員が話したかも・・・
客も色合いに驚いていた。
「バカにしていたが妹が言ってたのは、本当だったとは」
ああ、ここで働いている妹が兄に話したのだろう。
並べていた布が飛ぶように売れる。
「この色の布を全て買うぞ」
「ありがとう御座います。会計はこちらです」
「わしも買うから」
「こっちの赤をください」
会計で『そろばん』を使っていたら・・・
「それは何だ!」
「え!そろばんです」
「そろばん・・・使い方を見せてくれ」
「ここが定位点で1で1玉あげる。そして4が加わると1玉さげて5玉をさげる」
「なるほど・・・なんとなく分かるぞ。これも買った」
え!この世界には『そろばん』が無いのか・・・
「手作りなので・・・注文してもらえば届けますよ」
「え!届けてくれるのか・・・なら注文するぞ・・・住まいは・・・」
なんと『そろばん』の注文も入ったぞ。
それに布も売る切れが続出してる。
もう店が繁盛して新たな店舗を購入。
「ここに名前と母印を・・・」
「これで、この店は俺のものなのか・・・なんか満足感が」
現実の世界では、あり得ない・・・なので感動ものだ。
そんな店舗を見て歩く。
ああ奥は広いぞ。
ならば『そろばん』の製造工場でもするか・・・・
「君・・・そろばんの材料を材木屋で買って来てくれないかな・・・乾燥した堅い材木が理想的なんだが・・・」
お金を持った店員が外へ走って行った。
「君は、竹を切って持って帰ってくれるかな・・・」
「竹ですか・・・分かりました」
作っておいた鉈を手渡す。
そろばんの
1、珠の厚み木材をカット。
2、珠の大きさにカット。
3、真ん中に穴を開ける。
4、穴を利用して回転させて削るのがベストだ。
回転をハンドルを回して、削るなんて・・・出切るか!
左手で削るなんて・・・
左手でハンドルを回してみた。
やっぱ回転に力強さがない。
確か磁石を持ってたハズだ。
モーターを作ちゃえ。
天武神魂の
しかし丸い形状だ。
老人の記憶から
変化塊で磁石をモーター用に変形させた。
めちゃ良いぞ。
後は銅線を規則正しく巻いた。
後は電気を流せば回転するハズだ。
あ!バッテリーも必要だ。
またまたチャットで聞いてみる。
なんだ、そうか・・・
電解液である希硫酸の中に鉛の電極板を入れて・・・
正極には二酸化鉛、負極には海綿状の鉛を使えばいいのか・・・
電解液の硫酸イオンが正極・負極の双方に移動すると放電され、逆に正極・負極の双方から電解液に硫酸イオンが移動することで充電される仕組みだと理解した。
それらしき材料を記憶を・・・
あ!あの二酸化鉛と鉛なら市場で見かけたぞ。
硫酸イオンも火山から取れるハズだ。
確か火山は、老人と出会った場所の近くあった。
なんやかんやでモーターもバッテリーも完成した。
店舗の中に流れる小川を使って、螺旋水車発電を回して電気を作る。
そしてモーターを回した。
使わない夜間は、バッテリーに充電して、そのバッテリーを使ってモーターを回した。
職人が
ボタンを押すと回転したぞ。斜めの台に刃物セットして近づける。
綺麗に削れて木屑が・・・斜めにカットされた珠の完成だ。
もう1人の職人は、片面がカットされた珠をセットして、削ってない方を削りだした。
これで珠の完成だ。
軸は、竹で作った。
そして枠を作りながら軸を差込む。
珠を入れて蓋を閉めるように最後の枠をセットすれば完成だ。
まあ作業しながら珠の動きを微調整するのも職人だ。
「それで『そろばん』は、日に何丁作れる」
「そうですね・・・30丁は作れるでしょう・・・」
30丁か・・・この世界に無い物だから作れば全て売れるだろう。
そろばんを弾いて、年間の収益を計算したよ。
ああ、笑いが止まらない。
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