7人目の召還者?いえ転生ですが?

姫野 りぉ

第一章 異世界転生

プロローグ Ⅰ

「おい!光!売店で焼きそばパン買ってこいよ!」

「俺はサンドウィッチだからな」

「じゃあ私はドーナツね」

「分かったよ┅┅代金は?」

「バ~カ!後払いに決まってるだろ?」

「ちゃんと買って来たら払うわよ」


「おまえ達!いつも光ばかりに頼むなよ」

「そうよ?光君だってやらなきゃいけない事があるのよ?」

「橘君いつも困ってると思いますよ┅」



何時もの事だ┅┅


俺は橘光タチバナヒカル高校三年生、県内一の進学校【仁徳高校】に通ってる17歳彼女無しDT


成績は中辺りをウロウロの冴えない君で今まで女子に持てた事は無いモブ中のモブ

その冴えない君が何故か生徒会に所属してる

これはクラスの奴等から押し付けられ仕方なくと言う情けない結果なんだが┅┅


生徒会会長 工藤 クドウスグル品行方正成績優秀で人気者

絵に描いたようなイケメン

正義感が強くお節介


副会長 葛城 カツラギアカネ学校のマドンナ的存在で才色兼備の美少女 俺とは小学5年生からずっと一緒の学校へ通ってる


書記 須藤 真奈美スドウマナミ おとなしく控えめ 少しオドオドとして人見知り 可愛いんだが暗い印象が残念少女!


生徒会体育部長 河辺 健人カワベケント脳筋で空手有段者

親は代議士 傲慢で粗忽者


生徒会芸術部長 野口 理子ノグチリコグラマラス体型で男子のセックスシンボル 個性的性格

ずる賢い頭脳の持ち主


生徒会生活部長 柳楽 ナギラリョウ頭脳明晰成績優秀

思慮深く用心深い 秀才肌の気取り屋 冷酷な性格


そして俺一応総務担当らしいが言わば雑用係の何でも屋

7人の構成員で補欠みたいな物だ


河辺、柳楽、野口の3人は生徒会で一緒になったが何故か俺をコキ使う、イジメ迄は行かないが事有る事に俺を使う

まぁ雑用係だから逆らわず従ってると言う所だ


会長の工藤優とはおかしな物で幼なじみ、親同士が大学の同級生と有って家族ぐるみの付き合いだ

コイツは本当に面倒くさい奴で俺の事に口を挟むのが好きらしい


決してBLでは無い!断じて!

隠れて野口理子のおっぱい谷間をジックリ見てるんだぞ♪

それに彼女は無防備に生徒会室で昼寝とかするから然り気無くモミモミしたりして楽しんでる♪

美乳でFカップはたまりましぇん!


副会長の葛城茜とはアカネ、ヒカル君と呼び合う仲で彼女が引っ越して来た家が隣同士だから勉強を一緒にしたりと仲は良い

工藤優がお邪魔虫で必ず来やがる

この3人で行動する事が多かった


須藤真奈美ちゃんは未だ2年生で3年生の中に1人年下だからかオドオドして可愛い

アカネと仲良しでベッタリだ


「橘よぉ!ぐずぐずすんな!早く買ってこいよ!」

「売店のパン売り切れちゃうよ~♪」

「何時もながらノロマだな?その長髪が問題なんだよ!前が見えないだろ?それに不潔だ!」


「光はおまえ達の家来じゃないぞ?そんなの自分で行けよ」

「雑用係だから良いだろ?それくらいしか為にならないんだからな!」

「何時も助かってるのよぉ~♪ヒカルちゃん良い子だからねぇ~」

「だからって┅┅えっ!何!これ!キャア!」

「なんだよ!眩しい!」

「キャーア!助けて!怖いよぉ!」

「落ち着け!時期に収まるからな!ウワァー!」


待て待て!こりゃ魔法陣じゃねぇか!って!部屋を出る所だぞ!


「アカネェー!」

「ヒカルく~ん!イヤァ!」


凄い光に包まれ何も見えない!

ドアから体が出る時だった

そして微かに見えたのは6人が魔法陣の中に吸い込まれるように消えて行くのを┅┅


イタァーイ!なんだこれは!

意識がぁ┅┅


この日誰もが見ていた┅┅

生徒会室が突然光り収まった時に誰も居なくなった事を!

騒然となる学校!緊急に生徒は体育館に集められ教師達は対応に追われた


警察も集まりグランドにはパトカーや特殊車両に県警本部から大勢が召集された

なんと言っても代議士先生のバカ息子が含まれてる

そしてマスコミがハイエナの如く嗅ぎ付け集まりてんやわんや!


もう隠し通せず記者会見!

慣れない校長センセは額に汗!薄い頭も汗!

お辞儀するとテカテカ光る!


「突然生徒6名が消息不明となり我が校でも行方を探してる最中です!」

「生徒会室全体が光ったと目撃情報が有りますが!」

「誘拐ですか!」

「河辺代議士の息子さんが含まれてますが恨みとか営利誘拐でしょうか?」

「今は警察の方々も調べてる最中ですので詳しい事は警察からお知らせする事になってます」


「学校側は責任の所在を警察に押し付けるのか!」

「防犯体制に不備はありませんでしたか!」

「被害者の親御さん達にはなんと報告したのでしょうか!」


少しでも自分の功績の為にしつこく厭らしい質問を投げ掛けるハイエナ共!

ジャーナリズムの精神など廃れ果てた日本のマスコミ連中は面白可笑しく不思議な出来事を金に変える為に騒ぐ


しかし┅┅行方不明者6人?

まだもう1人の不明者には気付いて無い┅┅

モブ中のモブだからか生徒会メンバーとは覚えられて無かったの?


不可解な事はもう1つ┅┅

生徒会のドア一面に広がった赤い血は誰のか?

警察鑑識課も首を捻る┅┅

該当者無しの結果が益々不可思議な事件となって騒動になるとは┅




「ねぇ?どうしてヒカル君は成績を平均の中クラスに落としてるの?」

「そんな事は無いよ、頑張って中クラスくらいなんだ┅┅俺、頭悪いからな?アハハ!」

「嘘!私は分かってるのよ?ヒカルは凄く頭良いのを!」


「アカネの買い被りすぎだよ

俺は運動音痴で頭も悪い、それに持て無い君だよ?知ってるだろ?」

「そんな事ばっかり!中学2年生迄はクラスで一番の成績で運動も凄かったじゃない?」


「高校になればそんなの通用しないさ、ここはトップクラスの高校だぜ?俺なんかやっと就いて言ってるんだよ」

「もう!この嘘つき!何が目的なの?全然本当のヒカル君じゃないよ?そうか!そうやって隠して東大とか入っちゃうだね?」


「イヤイヤ!無理だろ!それに俺は爺ちゃんと婆ちゃんから慶応へ行けと命令されてるんだぞ

うちは代々あそこ出だからな┅

落ちたら勘当だってさ!今時勘当も無いってぇの!」

「それ本当!ヤッタァ!じゃあ大学も私達一緒だね♪もう♪それを早く言ってよねぇ~♪」


そう!俺は中学から自分で目立たない様に成績とか調整してきた

勉強は小さい時から婆ちゃんから徹底的に教えられ

爺ちゃんからは5歳から柔道、合気道、空手、中学から剣道も増えて毎日しごかれた


塾や予備校なんて勿体ないと行かせて貰えず爺ちゃんと婆ちゃんから散々仕込まれた

婆ちゃんなんてお茶とか生け花に裁縫、料理もだぜ?

花嫁修業かよ!


爺ちゃんは鬼の様に厳しく叩き込まれてヘトヘトの毎日


「本当に強い者は実力を控え慎ましくする者だぞ!

能ある鷹は爪を隠すだ!良いな!」

「勉強が出来るなんて思わないのよ?程々が丁度良いの

ヒカルは頭が良いから分かるでしょ?他人に羨ましがられたら敵が増えるだけ、能力は知られては駄目よ」


常々そう言い聞かせられた

目立つな!控えめに!知られるな!

真の実力者になりなさい!


だから言われる通りに調整しておとなしくしていた

そんなだから友達とか出来なかったなぁ┅┅

工藤も高校からは疎遠になって3年生になって生徒会で久しぶりに口を聞いた


でもアカネだけは相変わらず話しかけて来る

だから余計冷たく見られ誰も相手しなくなる┅┅ハタ迷惑なんだよ


そんなシゴキの毎日でも楽しみはラノベやアニメだった

冒険者の旅に夢を描く少年!

自由になりたかった┅┅



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



ここは?


『なんでかのぉ?おかしいのぉ?』


真っ白?これは!あれか?ラノベで良く読んだ神域とかじゃ無いのか?


『そうじゃ神域じゃよ┅┅』


あんたは神様?なのかな?


『創造神ガルーダじゃよ┅お主はなんでここに来た?イヤイヤ!どうしてここにおるのじゃ!』


知らないです┅こっちが聞きたいくらいですよ


『おかしいのぉ?召還は既に済んだのじゃが?』


やはりあれは召還!じゃあ6人は異世界へ行ったのですね?


『そうじゃが?何故ここにおるのじゃ?』


だって俺は巻き込まれて気が付いたらここだったんだ!


『巻き込まれた?こりゃ調べんとアカンのぉ?これ!アフロディア?どうなっておる!』

『創造神様┅┅それが┅その者は転生者でして何故なのか不明です』

『なに?転生者じゃと?そんな筈は無かろう?』

『そうなんです┅┅ですが死んでますねぇ┅┅』


おい!今なんか死んだとか聞こえたぞ!俺は死んだのか?召還されたんじゃ無いのか!


『こりゃ困ったわい┅┅この魂をどうするか?』

『ハイ┅┅どうしましょ?』

『どこかへ飛ばすか?』

『飛ばすと言われましても┅┅他はみな一杯ですよ?』


おい!答えろって!無視すんな!


『うるさいのぉ┅』

『これは手違いですね?召還者は7名の選ばれし者達です

しかしこの者は死んでしまい行き場の無い魂となってしまいました

今更どうも出来ませんね』

『それならソナタの星へ行かせるのはどうじゃ?知った者達も行っておるからの?』


『はぁ┅転生者ならばどうにかなるでしょう しかし召還者が1人不足します┅┅┅』

『これは我等の落ち度じゃ 召還した者も納得すまい それに地球へは戻せんしのぉ』

『ええ┅┅アマテラスが怒りますよ?あの星の魂ですから┅』


なんだか恐ろしい事を話してるな?それにアマテラスだって?

天照大見の神なのかな?

星って?日本のだろ?


『ん?アマテラスを知っておるのか?』


知ってるさ!これでも日本人だぞ

でも星とかは何でだ?

日本以外はキリストとかアッラーとか神様がいるけど?


『あれは神などでは無いぞ?人間じゃよ 勝手に神としてるだけじゃ』


それならゼウスとかゼウスとか┅┅ゼウス?アポロンもだ!


『その神々は過去に転生した者達が広めた他の星の神々じゃよ

お主の地球はアマテラスが神として管理しとる

神とは複数おってじゃな?沢山の星を管理しとるのじゃ

このアフロディアもその1人じゃよ』


そうか┅まぁ日本には八百万ヤオヨロズの神々がいるもんな


『詳しいのぉ?神は下界に関与出来んのじゃ アマテラス1人では面倒見切れん じゃから山の神やら水の神とか言って世話をしとる

じゃから八百万ヤオヨロズなんじゃよ

そのキリストとか言うのもアッラーとかも同じじゃ

神を名乗りたい者や呼びたい者が勝手に神と崇めておるだけじゃ』


それはまぁ良いから┅それより俺をどうするんだよ!


『お主は召還者達の所へ行くのは嫌か?』


別に嫌じゃ無いぞ?だって俺も召還されたんだろ?


『そうじゃったな ┅┅しかし死んで魂となっておるからのぉ┅┅ ならば特例で転生させようかのぉ このままなら次元の穴へポイじゃ┅┅┅バレなきゃ良いからのぉ

それはそれで偲び無い こちらの不手際じゃからな』


何がポイだ!知らん間に殺され知らん所へ捨てるな!

証拠隠滅とか辞めろぉー!神様だろうが!

俺は何も悪く無いぞ!マトモに生きてたんだからな!責任とれよ!

神様なんだろうが!バカヤロー


『コヤツ!神に向かって大概じゃな?恐れを知らぬと見た

礼儀もじゃな┅┅

転生させるとするか? それに召還した者の星へ送るのも面白いかも知れんな?

アフロディアや?ソナタに任せるぞ 後は良しなにせよ』


『ハハッ!私の責任に置いて納得する様に取り計らいます

しかし私1人の所存より他の者達にも手伝って貰って宜しいですか? 』


『良い良い 他も面白く思おうておるようじゃ 珍しい魂に経緯じゃからな?

フォッホホ!好きにするが良い 儂も久々に面白い者と話せたし気に入った!

何やらワクワクするのじゃよ

この儂に言いたい放題じゃぞ?

じゃから特別に褒美をとらせよう

儂等を楽しませておくれよ?フォッホホ! 』


『まぁ!随分とお気に召されましたね?珍しいですわ では私と共においでなさい

創造神様のお気にぃなら約束された命となりますよ?ウフフ♪』


┅┅┅はぁ?よろしくです┅ハイ┅┅



証拠隠滅で消されなくて良かったぁ┅┅┅糞爺ぃめぇ!お気に入りとかふざけるな!

俺はペットじゃねぇぞ!




でも俺┅┅死んだのか┅そっかぁ



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