7.


熱のせいではない、顔を真っ赤にした姫宮は布団を被った。


御月堂が会いに来た時、姫宮が発情期ヒートの最中で、その発情期ヒートの姫宮に誘われてしまったために御月堂に慰めてもらう形になっていたようだ。

本当にその時の記憶が曖昧になってしまう自分は愚かだ。

涙ぐみそうになるのを堪え、そろりと顔を覗かせた。


「⋯⋯ですが、こんな時に発情期ヒートになってしまうのは、とても嫌でした。⋯⋯大河を喜ばせたかったのに⋯⋯」

「喜ばせたいのは、大河だけではない」

「え⋯⋯?」


姫宮が瞬きをした直後、目を逸らした。

あまり表情には出なかったが、どことなく落ち着かなさそうにしていた。


それって、つまり⋯⋯。


「それよりも寝た方がいい。寝るまでそばにいる」

「⋯⋯はい」


頭に手が乗せられたかと思うと、ぎこちなさそうに撫でてくれた。

その仕草が彼らしいと小さく笑っていた。

その温もりを感じているうちにまた姫宮は眠りについたのであった。

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