契約者を殺す男
@sige02
プロローグ
40年程前に地球に隕石が世界に飛来した。
飛来した隕石にはウイルスが含まれていたが、伝染はしなかった。
研究者たちがウイルスを研究した結果、このウイルスは一部の適合者のみを超能力者に変える力を持っていることが判明した。
後に、この能力者は「契約者」と呼ばれることになる。
契約者の能力は、人の性格・個性が色濃く表れ、能力は一人につき一つが原則である。
また、極めて適合率の高い場合には契約者の超能力による影響で、超能力が発現することもある。
契約者の名前の由来は、契約者本人が死んだ時に死体が残らず七色の石へと変わり死後の世界を捧げて超能力を得ていると考えられてることが名前の由来だ。
世間は大騒ぎにならなかったかって?・・・なったよ。
いきなり世界で超能力が使えるようになると暴動も起きたりした。
日本では国がウイルスを厳重に管理しているが、金さえあれば一般人が裏社会から入手出来るくらいには流通しているのが実情だ。
俺は、そんな少し刺激的なな日本で暮らしいて、毎日トレーニングを死ぬほど頑張っている16歳の高校生だ。
家族は、母のみで多分何処かで生きてると思うが・・・現在家で後輩と俺とで暮らしている。
目覚ましが鳴っているが昨夜も裏の契約者の捜索の仕事があり、眠たいので中々起きれない。
「先輩~おはようございます!」
「おう、茜・・・おはよう!」
中々起きてこない俺に痺れを切らしたのか、一緒に暮らしている茜が部屋に入ってきた。
彼女は白石茜、白色のボブカットで、くりっとした大きな瞳が特徴の美少女だ。
茜は中3で女学院中等部に通っている。性格は少し小悪魔な感じで、よく俺が揶揄われている。
訳あって去年から一緒に暮らしており、頭がかなり良いので契約者の情報収集等をして貰っている。
「朝ごはん出来てますよ!早く顔洗ってきてくださいね~!」
にっこりと笑いながら俺にウインクしてくる・・・可愛い。
最近になって益々可愛くなってると思う。
「・・・分かったよ」
俺は朝ごはん食べる前に洗面所に行くためにベッドから出た。
着替えた後、食卓に向かうと茜は俺を待っていた。
「今日も相変わらず美味しそうだ」
「先輩が家での食事だけは量が多いから作るの大変なんですからね!」
頬をぷくぅ~と膨らませてこちらをジト目で睨む茜の姿。
「外で沢山食べてると違和感あるだろ?それにお前の飯は上手いからな、許してくれよ」
俺の体質上一般人より多くの摂取カロリーが必要なのだ。
「仕方ない先輩ですね。もう私に胃袋掴まれちゃっているんですね!」
「そうそう」
事実なので肯定しておく。
「「いただきます!」」
茜の食卓には、焼き魚とおかず数品に味噌汁、白ご飯であるが、俺の食卓には追加でベーコンエッグとトースト3枚、トマトのマリネとポテトサラダもあるのだ。
食べながら、なんとなくテレビを点けてみる。
『――この時間は予定を変更し、臨時ニュースをお伝えします』
番組はいつもよりも慌ただしい様子で画面の端に表示されているテロップには「都内ショッピングモールで死傷者多数」とある。
これは・・・契約者によるものかな?
「そうですね。裏の契約者によるものですね。前まで九州で活動してたみたいですが、最近は都内への活動拠点を移したみたいです」
流石に調べが早い。
「ほぉ、嫌だね~都会に来ちゃったら俺の仕事が増えちゃうじゃん」
「ほんとですよぉ!お陰様で私も睡眠不足なんです!寝不足はお肌の大敵なんです」
既に色白で十分綺麗だと思うんだが・・・
「十分綺麗だよ・・・それより、能力って分かる?」
「ありがとうございます・・・話逸らしましたね・・・。能力は自身の皮膚を鋼鉄以上の硬さにするみたいです。9mmの銃弾でも耐えるといったデータもあります」
「なるほどなぁ・・・。警察官じゃ対応出来ないかもねぇ・・・」
(茜にニコニコ笑顔を向けながらだと、食べにくい・・・)
朝ごはんを食べた俺と茜は、一緒に歯磨きを済ませて学校に行く準備をしていた。
そろそろ学校へ行く準備しなきゃなので、銃(デザートイーグル)2丁とナイフの点検を素早く済ませる。
昔は銃刀法違反なんて素晴らしい法律があったらしいが、契約者が出てきて治安が悪くなったからね・・・。
銃はダメだけどナイフはオッケーとなったんだ。
銃は何処から入手したかって?俺のお仕事的に銃は必須アイテムだから、融通して貰えてるのだよ・・・。
契約者になる資質が無いから、護身用の武器は大切だ。
「茜・・・お前相変わらず分身で学校行くのか・・・?」
契約者の茜の能力である分身は、かなりの精度があり本体と能力値がほぼ変わらない。
「そうですよ!私だって、契約者の情報集めや石の解析で時間全く足りないんですからね!」
腰に手を当てて怒ってますアピールをする。
「まぁ、分身でも勉強出来るし問題ないか・・・。俺も学校面倒だけど遅刻しそうだから行ってくるよ!」
「はい、いってらっしゃい!」
少しのんびりしすぎてたようで、遅刻気味なので小走りで学校へと向かうことにした。
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