みちるきちる
二革 圭(ふたかわ けい)
みちるきちる
生きし溶けゆく坂道遠く、景色まばらく近付く線がより驚き増して黒々と結ぶかけいの運びに、重(いく)えに盛った米の流砂が香ばしく焼いたのりの映像照らしてゴクンと喉鳴(のどな)す。
ブリ照り焼き食べ尽くしてげっぷ一吐き。腹調子尋ねても無言で付き添う体かな。一歩き二歩きしたところで山の地蔵の掃除を頼まれた。狐やら狸やらがからかいに来て嘘の依頼をふっかけられようが目的が出来たのだから、有難い事である。
ところ狭しと咲く蘭の花を見て気分が頗(すこぶ)る良い、というわけでもなくただ見つめていれば蜂なり蝶なりがいるかなあと道案内を頼みたくなったが雨が降ってきた。
降れば降るほど土壌が汚染され、立場所すらもなくなれりゃ火に炙られた路面をアチチと飛び跳ねながら歩くみたく、見たくもなかった体(てい)たらくをダラすこきりぎり金切り声を静けさにそっと回して混乱させて、0と1の往来いえども手は幾度となく動き回った。
みちるきちる 二革 圭(ふたかわ けい) @urmatorakichi55
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