第12話
「っ、」
悠弥の話しを聞いた璃は、その場から走り出す。
「佐原さん!!?」
後ろで瑠璃を呼ぶ悠弥の声が、その場に響いた。
それでも、
瑠璃は構わず走り続ける。
振り返って、何かを伝える暇も、余裕も無かったから。
『雪菜さんの行方か分からないんです…』
その悠弥の言葉だけが頭の中を支配し、瑠璃の焦燥感を煽っていた。
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