星母の魔帝卿の愛し子

エピマキ

 悪魔との戦争·····終わらない戦争。骸の山だけが積もるだけの傲慢な戦争·····。

 わたくしは·····何時まで悪魔達を殺し続ければいいのか、答えのない、教えもない·····意味があるのだろうか。


 悪魔·····精神世界のみに生きる者たち。精霊とも亜人とも魔族とも違う精神生命体·····それが悪魔。持つ力は強大で凶悪、魔力操作も精密で魔力量も魔導士を超えるとほど。

 悪魔の一般的な特徴として、目は猫のような目をしていて背中には羽がある·····これが悪魔の一般的な特徴。そして魔力量·····生きた時間によって角を生やし人語を正確に喋れるようになったりする。


「うおおおお!!!」、戦場の中·····声を荒らげ終点を見つけれずただ悪魔と戦い散っていく戦士や魔道士達。


 わたくしの足元に腕を切られた戦士が転がる。わたくしはしゃがみ、空いた瞼をそっと閉じる。


「まだ·····終点はここではないぞ」


「おぎゃあおぎゃあ!!」、怒声と魔法と悲鳴が響く戦場の中に幼い赤子の声がわたくしの耳に聞こえてきた。わたくしは立ち上がり、当たりを見回す。声に意識を集中させ、その声のする方へ狂ったようにその声の元へと骸をかき分けて、闘う者達をかき分けて走る!!。


「おぎゃあおぎゃあ」、息を荒らげ声の元へとたどり着いたわたくしが目にしたのは瓦礫の山だった。だが、確かにこの瓦礫の山から「おぎゃあおぎゃあ」と声が聞こえる!!。


「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァ!!!」、わたくしは声をがなりあげ、瓦礫の山を掻き分けた。瓦礫を無我夢中でどかしている最中手は切れ手からたくさんの血が飛び散った。だがわたくしはそんなことはどうでもいいと、このまだ青い空を知らない空の飛び方も知らない赤子を助けなければならない"!!っと無我夢中で瓦礫をどかし続けた。


「あぁ....みつけた」、かき分けた瓦礫の穴の中に元気に泣く赤子がいた。赤子を守るように横たわって魔素化してしまったているのはこの赤子の母親だろうか··········。

 わたくしたちは何をしているのだろうか·····なんの終点をめざしているのだろうかァ"!!。悪魔とて精神生命体だとて·····!!!。


 子を護りし栄誉ある母親よ、誓おう!!この赤子はわたくしが死んでもなお守り!!そして育てると!!。わたくしは魔素化し腕だけとなった母親の手を取り、「栄誉ある気高き母よ気高きまま祖にネムレ」、わたくしはせめてもの鎮魂を込め祈りを唱え、気高き母の意思を紡ぐ。


 わたくしは赤子を優しく持ち上げる。「星母の魔帝卿様!!」、わたくしを呼ぶ声が近寄って走ってくる。


「星母の魔帝卿様!!ここにおられましたか、観測士の報告を伝えにまいりました!」

「そうか·····観測士はなんと·····」

「はい!。悪魔側の撤退を観測·····これにより我々も次の襲撃に備えつつ帰還せよ!。とのことです!!」


「そうか」、わたくしは赤子を優しく抱えその場を去ろうとする、すると伝令係が「その赤子、悪魔の子ですか?。伝令係が出しゃばるのは良くないとは思いますが·····後始末は我々がしときますよ?」、と手を差し伸べてきた。


 わたくしは少し魔力を可視化させ伝令係を威圧する。「な、なにか気を損ねてしまうことを言ってしまったでしょうか!!。粗相をしてしまったのならは謝罪を!!」、伝令係は歯をガタガタと震わせながら言う。


「気にするな」、伝令係にそれだけ伝え、わたくしはまた魔力を完全に消す。わたくしは優しく赤子を抱えゆっくりと帰路えと向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星母の魔帝卿の愛し子 エピマキ @kakuyom_333

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ