第4話

先輩のいる高校はかなり偏差値の高い学校だったから、私は何かに取り憑かれたようにとにかく勉強した。



遊びに出掛けることもなければ、睡眠時間も極僅か。



それはもう、親ですら心配するほどに必死に頑張った。



その甲斐あって、私は見事に合格することができたのだ。



恋の力は偉大だと思った。








入学して久し振りに見た彼・・・・先輩は、さらに格好良くなっていた。




バスケ部のエースで成績は常にトップ。



優しい笑みに、胸のどきどきは更に高まった。





先輩に彼女がいることは、初めて出会った時から知っていた。




けれど高校生の付き合いなんてどうせ長くは続かないと思っていたから、ショックではあってもさほど気にしていなかった。



この頃の私は今とは違って、すごくポジティブだったんだと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る