第6話 同棲してるけどバカップルじゃないよな

 一日の始まりは百花に起こされる所から始まる。


「おはよう。今日も可愛いね」


「アオたんはあたしが霞むぐらいカッコいいよ!」


「何を言ってるんだ。俺よりモモの方がかわいい。宇宙一かわいい!」


「あたしのことどれくらい好き?」


「銀河一好きぃぃぃ!」


 おはようのキスとイチャイチャを済ませた後、学校へ行くために荷支度を始める。


 そのルーティンをしている傍ら、急にモモが妙なことを言い始めた。


「もしさ。あたしが居なくなったらアオたんはどうするの?」


「君がいないと俺は生きていけない。自害する」


「そう、なんだ……」


 すぐに元の笑顔を見せるモモ。しかし、モモの表情が一瞬だけ微かに曇っているように見えて、俺は少しだけ気になった。



         ◇



「君らがバカップルと言われる理由を教えようか? 常に見つめ合いながら、会話をしている。周りが見えていない」


 場面は変わって俺たちは風紀委員長の挨拶三唱をしていた。


「君ら~バカップルは嫌いかぁ!」


「嫌いですっ!」


「あたしは別にいいよ。アオたんが嫌なら嫌だけど」


「モモ! やっぱり持つべき彼女は理解ある子だなぁ!」


「やだもぅ! アオたんったらぁ~」


「はいはい、二人の世界に入らない! 人の話はちゃんと聞きましょうね!」


 よし、俺たちがバカップルなのを充分みんなに示すことができただろう。俺たちはバカップルではないとクラスのみんなは見直してくれただろうか?


「おい、あれが噂のバカップル。通称モモアオだ」


「うわぁ、今日も引くレベルでラブラブだなぁ」


「当たり前の様に校内でいちゃついてる……」


 ……なんで評価改ってないんだ?

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