第9話 反省会
朝の声かけや教科委員の仕事を乗り切って、今日は自分でも頑張ったと思う。だから、神社に来て黄昏る時間がまた特別に感じる。ここは本当に良い場所だ。なんでこんなところに神社を建てたんだろう?まるでパワースポットみたいに感じる。普段は普通の人間でも、ここにいると落ち着くんだよな。今日も体力作りにもなったし、ちょっと自己満足。
「浅見さん、結構喜んでくれてたな…まあ、友達になるための第一歩って感じかな!」
修学旅行という高校生にとっての一大イベントが待ってる。それまでにもう少し成長しないと、中学の時みたいに終わっちゃうぞ!
でも、そろそろ4月も終わるが、夕方になるとまだまだ少し肌寒い。今日は帰って、ラノベでも読むか。
夕食後、リビングで妹の葵と話すことに。彼女は何やら楽しそうにテレビを見ていたが、大輔は今日の頑張りを報告したくて仕方がなかった。
「葵、今日は頑張って、同じ係の浅見さんって子とちゃんと話したんだぜ!」
「へぇ〜、おにい、すごい進歩じゃん。で、浅見さんって言うくらいだから、女の子だよね?何話したの?」
「もちろん、数学の教科委員の話さ。ちゃんと話せたし、すっごく良い感じだったぞ!」
「…なんでドヤ顔してんの?それってただの連絡じゃん。でも、まあ、おにいが喜んでるなら、それで良いのかな」
「おいおい、庶民にはこの偉大な第一歩の意味がわからんかね?」
「はぁ〜、ほんと、ボッチをこじらせてるよね、おにいは」
「でも、ここまできたら俺も変わるぞ!」
「まあ、その意気だね!」
「そういえば、今週の日曜日に葵ちゃんの家に行くんだけど、服とか大丈夫?」
「えっ、いつも着てる黒いシャツとジーパンじゃダメなの?」
「やっぱりね!そんなことだと思ってたよ、さすが我が兄…。よし、明日は私と一緒に帰って、駅前でちゃんとした服を選ぼう!」
「そ、そこまで!? あれで良いと思ってたんだけど…」
「だめ・絶対!!」
葵はきっぱりと断言した。大輔は苦笑いを浮かべながら、妹の服装チェックに頭を下げるしかなかった。
「わかったよ。そこまで言うなら、行きますよ。い・き・ま・す!」
「分かればよろしい。じゃあ、どこで待ち合わせする?おにいの教室に行ってあげようか?」
「いやいや、葵、どんだけメンタルバケモンなんだよ。上級生の教室に来るなんて、結構勇気いるだろ?下駄箱にしようよ、普通に」
「了解!じゃあ、放課後に下駄箱で待ち合わせね!」
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