ザ・ガードマン

羽弦トリス

第1話夜勤明け

ショッピングモール春日井店の施設警備の連中。

朝の引き続きが終わると、朝の8時から翌朝8時までの勤務を終えて、帰って行く。

4人一組。

この日は、警備責任者の寺前国彦は引き続きをして、伊藤有30歳、藤岡利夫23歳、荒川克也22歳が夜勤を終えた。

寺前は31歳。

最近、店内に近くの不良高校の生徒が店を荒らして、ガードマンの呼び出しが多い。

ストレスの掛かる仕事である。


夜勤が終わると、10時10分の名鉄バスに乗り、JRで春日井から名古屋まで移動して、適当な店で酒を飲む。

酒が無いと眠れないのだ。


4人は、トリトリ亭と言う焼き肉屋で飲んでいた。

「しっかし、広場でシンナー吸う馬鹿は許せんな」

と、伊藤が言う。

伊藤はシンナーを吸っている不良の髪の毛を掴み、取り押さえ警察に身柄を引き渡していたのだ。

また、前日はぬいぐるみコーナーに火を着けられて、藤岡は消火器片手に店内を走った。

ボヤで済んだが、警察に通報した。


ガードマンは立場が弱い。

だが、臨機応変な対応を求められるので、非常に疲れる。

藤岡には、唯一、彼女のいる男。

彼女は看護師でオペ看である。


トリトリ亭に着いたのは11時。だが、ランチタイムが終わる2時を過ぎても飲んでいるが、店長は客単価の高い連中を自由に飲ませていた。

大抵、これで解散だが、藤岡は彼女と同棲しているマンションの近くの酒屋で、「やわらか京舞妓」と言う、やっすい日本酒を買って、ついでにスーパーで豚トロを買い、フライパンで塩コショウをして焼いて、酒のツマミにした。

720mlの日本酒を飲んだところで眠った。

夕方6時、彼女のこずえが帰ってきた。


「トシ君、また、飲んだの?」

「うん」

「今日は、カレーね」

「ありがとう」


夜勤明けの翌日は休みとなっている、藤岡は風呂に入ると早めに寝た。

こずえは、一生懸命に仕事勉強をしている。

藤岡は、大学を中退してから家族の為に働き、21の時に名古屋に出てきた。

まだ、名古屋に2年もいない。

これから、酒で鍛えられるし、裏切られるのだがそれは、最後に書く。


出勤日、会社に電話してから出勤する。

もし、連絡を入れなければ欠勤とみなされ、代わりのガードマンが出勤する羽目になるからだ。

こずえはヤりたい盛り。

「わたしをイカせてくれたら、1万円あげる」 

と、言うので、舌技の全てを注ぎイカす。

そして、下半身でも。

お腹に射精するとき、必ず出る様子をこずえは見ている。

夜勤明けの夜にイカせたら、翌日のパチンコの軍資金になる。

狂った生活だった。

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