エピローグ 2
俺はドッペルゲンガー。元・影虎。本人は多分怒るだろうけど、俺の認識ではそう。
なぁなぁなぁ、親として嬉しいこと第一位ってのは、子供が親の仕事を『すごい! 自分もやりたい!』って憧れてくれることだよな。な?
実は、俺の所属している組織が、俺の可愛い可愛い娘を『ぜひウチで働きませんか』と誘ってきてるんだ。
いいんじゃない? 人間モドキの悪人退治。パパと一緒でさ!
「で、どうよ?」
「……貴様のような、人の情動も常道も分からない人外に任せている時点で、そいつらは信用ならない」
「なるほど確かに」
影虎には、彼女は魂が分割されたおかげで意志薄弱だと伝えてあるけど……偶に意思を宿すときがある。
俺が実体を持って目の前に現れてあげたときとかすぐに殴り掛かってくるよ。
だからまあそういうときに訊いてみたら、こうだ。残念。
「やるとするなら、条件がある」
んん?
「例えば?」
「不可侵条約、だ」
「ふかしんじょうやく?」
「その組織は、私の妹弟に手を出す可能性があるだろ」
それは確かにある。
なるほど、彼女は彼女なりに出来たばかりの家族に情があるのか。素晴らしい。
「へぇ、いいねいいね。じゃあパパは上と交渉したげよ」
「ハロー、エージェント・ハートレス。覚醒したと聞いたよ」
「……そのダサい呼び名どうにかならないか」
「ウチの規則でね。なに、君の父の名前もエージェント・ダブルだ。知ってるかな、ドッペルゲンガーはダブルとも呼ぶんだよ」
「だからなんだと言うんだ」
「いや別に」
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