DAY1

第1話(人物紹介)

 友だち三人組のうちのひとりに勘太郎という少年がいる。背は真ん中より少し上の小学5年生だ。勘太郎の家は駅の近くにあった。先祖には深山泰一先生(1858-1932)という物理学の教授やモト―じじい(1917-2008)というこの周辺の有名人がいる。


「おかんのスマホするか?」

 と、勘太郎がいいだした。

「ええの?」

 と真ん中の智之としゆきが答えた。背の高い彼は小学6年生で、2年半前に右側の市島三郎いちしまさぶろうと転校してきた。三郎は極端に背がちいさいから、「サブくん」とか「影送ラー」とかよばれた。どうして影送ラーか? 「ちいちゃん」の物語の主人公みたく、背が小さいからだ。


 三人は十字路を曲がった。「ほんとはだめなんけど……」

 やろう、と三郎がいった。勘太郎は智之をみた。智之もうなずいた。

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スマホをかえせ――! 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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