第94話
リオの大事な時間?
「……昨日のでバレてるんでしょ?」
リオの身体がアタシに近づく。
彼からのボディーソープの香りが一層強くなる。
「昨日の事?」
アタシがそう答えるからリオの表情が少し変わる。
昨日の事といえば、あの“夢”でしかないとアタシはすぐ理解したけれど。
「沙良は、覚えてないの?」
「え……、だってあれは夢……じゃないの!?」
「まあ、かなり前から現実なんだけどね。」
ウソ!
アタシは言葉を失って、代わりに身体が熱くなるのが分かった。
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