第52話

この部屋に彼女のモノだといえるものはなにひとつ残ってはいなかった。


好きなようにして良いと言っていたのに沙良は……。



始めから出るつもりでここに来たのだと気づく。


以前の日常が戻ってきただけなのに、


もうひとりで暮らせない自分に溜息が出た。



……どうする?


このまま彼女を諦めたら、俺は愚かなままじゃないのか?


何も成長していないコドモのまま……。


アクションを起こさなければ何も起こらない。



起こせば……その逆境に立ち向かえば、


見えてくるかもしれない、自分の未来が。

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