第15話
同居を始めた場所は彼の住んでいる賃貸マンション。
アタシの給料では決して無理な所だった。
「沙良の好きなように部屋アレンジして良いよ。」
「うん、でもリオのセンスの方が良いみたいだからこのままでいいよ。」
「でも一切自分のモノを置こうとしないね。」
ふいに痛いところをつかれた、と思った。
アタシがこのマンションに来た日、ボストンバッグ一つで来たから。
それに余計なモノは置かないと決めていた。
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