第39話

アタシはマンションに帰っても警戒していた。



「どした?ケーキ切るからナイフ貸して?」




「も、もう食べるんですか!?さっきご飯食べたばっかりですよ?」




「……知らないの?スイーツは別腹だよ。」




この人の胃袋も大概壊れてそう……。



アタシはキッチンからナイフを持ってきて水沢さんに手渡す。


そしてすぐ離れる。



それを見て水沢さんはクスクス笑っていた。



「なに警戒してる?」




「は?だ、だって水沢さんが変な事言ったから……。」



「変な事って?」



水沢さんは上手にケーキを切り分けてゆく。


ホールだからがっつりスプーンで食べるのかと思ってた。



「あ、アタシにクリーム塗りたくるとか……!?」



水沢さんは突然アタシの頬に人差し指ですくったクリームをつけた。



「こんな感じ?」

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