第35話

「なんか堀内くん、アタシが水沢さんと付き合い始めた事知ってるみたい。」




「あ、そうなんだ?」




「“どうせ捨てられる”って言うんですよ?酷いなー」



……あのヤロー、



ホントに邪魔で厄介なやつ。



「なんだか水沢さんの部屋って殺風景かと思ってました。」




「また理想?」



俺は彼女を部屋に招いていた。




「いいえ、アジアンテイストなんて・・水沢さんに案外合っているなと感心してたんです。」




「それはどうも。」



褒められたから

隣に座る藤森さんに短いキスをした。




「み、水沢さんて密着好きですね?」




照れながら彼女は言った。




「うん、これも想定外?」


今度は頬にキスをする。




「…はい。」




「藤森さんはベタベタするのは、」




「苦手であまり好きじゃないです。」




「なんだそれ!」

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