第29話

《♪~》



携帯の音で目が覚める。


俺の携帯じゃない。



隣で眠る藤森さんの身体を揺する。




「藤森さん、携帯鳴ってる…。」



……ダメだ起きやしない。


「なんだよこんな夜中に、」



俺は起きてガラステーブルに置いている携帯を取る。



ディスプレイを見る。



“堀内旬”の文字。




人がキモチいい事して、気持ち良く寝ていたのに。



《♪~》



てか


しつこいな!まだ鳴ってる。


俺は彼女をちらっと見る。



……爆睡中。



あんまりこんな事したくないけど。




俺はディスプレイ画面を



押した。

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