恋人の無念はどーすんの! 仲間の無念はどーすんの! それが悲劇の元だ!
「お前たちの『恋人の無念はどーすんの! 仲間の無念はどーすんの!』
それが終わらない悲劇の原動力になっている事にどうして気づかない!
そんなこといつまでも言ってると! お前も表情が鬼になって死ぬぞ!」
「でも、でも…………」
うっうっうっ…………と大粒の涙を流す雪女の
「これからでも遅くない。
生き物同士ルールを決めて、戦いを回避すればいいんだ。
それが悲劇を止める。
殺し合いしたきゃすればいい
殺し合いが嫌ならしなければいい
殺し合いは嫌だけど恋人家族の無念は晴らしたい これはちょっと難しいな。
じゃあ優先事項を君自身が設定して消化したい欲望に照らして妥当なルール作ればいい。簡単だろ?」
「うっうっ……、ウガヤ様は冷静すぎる。そんな気しかしません。あなたは……冷静………すぎっ! ひぅぅううぅうぅぅぅぅううううう!
身内が殺されてる戦争でそう簡単には感情は押さえられない。
あなたはオモイカネを超えて八百万の神全員で最も賢い。
それはわたしも認めます。
でも世界の人達がみんな全部割り切れるなら、そもそも戦争しませんよ」
「〇ルールを作って争いをやめればいい(最終目標)
〇恋人、家族の無念で納得いかないヤツはそのまま戦えばいい
(過激派同士で殺し合って勝手に過激派だけ減っていく、厭戦派は戦場には出たがらないから生き延びる)
〇待つだけでOK、和平が通る比率になった時に会談すればいい。
これでもダメなら――――
そうなったら奥の手を使えばいい。
お前らがなんでもありならわたしもなんでもやるが……どうする? ってな」
「ウガヤ様の何でもあり…………」
青ざめた顔で水鏡冬華がうめく。
「なんだぁ、生意気な冬華ちゃんの顔をここまで青ざめさせるたぁ、すごいにーちゃんなんだな?」
永倉新八がうめく。
「感情から抜け出せない人が多いから感情ではどうにもならないようにする。簡単だろう?
例えば、神通力で下界全ての人間の心臓に爆弾をセットする。人類総人間爆弾化だ。他人を攻撃したいという暴力的な感情の一定の高ぶりにだけ連動して爆発するタイプのな。復讐なんて物理的にできなくさせる。
これで、感情のコントロールを誰もが覚える。
攻撃的な感情は戦争の代わりにオリンピックやゲームで発散させればいい。
下界がクソみたいな時代なれば、国土全体に死が広がる前に素早く平和にするためには俺ルール強制するしかない。
わたしが父にかわって22種類の宇宙人の遺伝子+豚で人間の遺伝子設定したのだ。わたしが元々の人間の設計者なのに、設定変更ができないわけないぞ。
人間爆弾量産してでも、死んだ後の魂を操作して、恋人や家族をネクロマンシーで永遠にわたしの死なない手ごまにしてでも、そんな悲惨な事が必要なくなるためのルールの必要性を世界に分からせる。
きみたちが『なんでもありって言い張る』から――
わたしもキミたちの死体と魂を操って将棋でとった駒を自軍として使うように死体軍団でなんでもありで君たちときみたちの恋人の死体で戦わせているだけだ。
稲とか麦を育ててのんびり過ごすって平和なルールを飲むのならそれをやめてやる、ってな。
長い人生、そりゃあ、不幸な時もある、だが不幸でい続けること(=加害者を屁理屈でまで作り出して(強い)被害者の立場に自分からいつまでも居座ろうとする)は怠慢だ、幸せになろうとしないことは卑怯だよ。
雪女の
望んでズルしていつまでも被害者ズラしてそれを隠れみのにして犯罪をおかしつづける。そういう奴もいる。紀元前のユーラシアでよく見た、わたしは。
弱き強さも、世にはある。
何なら今やってやろうか? お前らの恋人も仲間も全員わたしのアンデッド・サーヴァントだ。
あれネクロノミコンってわたしの知識の中にも似たようなのあるからな。人類暴走時の非常ボタンの役割として。
平和に過ごす意思を見せない限りわたしはなんでもする!
向こうで維新志士と新選組の死体があったから、彼らを永遠にわたしのしもべ、動く死体としてわたしが操ろうか?
お前らが戦いから遠ざかり、夜這いなんかもしたりして、軒下でかき氷食べつつ恋人同士お互いの体を触りまくってエロい、もとい平和な日々を過ごそうと思えるようになるまで。
理想の平和な世界が来ないんじゃない。
悪が望む平和じゃない世界を悪魔崇拝がじゃしんのぞうを拝み倒して悪の理想が実現しているだけなんだ。
★祈りのパワーすら悪の方が真剣で熱心なのだ★
だから平和を望む奴らはもっと祈れ。行動しろ平和に向けて。
永遠に動く死体になりたくなければルールに従い平和に暮らせと。
熱くなりすぎた奴は青ざめるくらい冷やしてやればいいのだよ。
ルールがないとどうなるかの【終着点】を見せつければいい。簡単な事だ。
『親兄弟、恋人が殺されたぐらいでどうした。
日常的に【お互いに殺し合ってる時代】だぞ。
わたしたちの世代からは因縁を断ち切り、大人しく田んぼで稲育てて稼いで暮らせば良かろう』
なぜこれが言えないんだ
これこそが慈悲のある意見だ。
水鏡の女なんて維新志士に家族皆殺しされたんだぞ。それでも彼女は恨みに呑まれていない。粋な女だ」
敵の神からは非道な策謀家とも言われる光の神、
「ウ、ウガヤ様。ご、合理主義のかたまり…………」
水鏡冬華は、目をひん剥いた状態で口が開き気味になり、両腕をだらんと下げた状態で前のめりになり、ウガヤを見て、でかい汗を一筋流す。
「なんてやつだぁ、あのにーちゃん……」
永倉新八が参ったような心持ちで半笑いで言葉を漏らす。
「……………………」
雪女の
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