第6話
容貌はフードでわからないが、華奢な体格から女性だと推察できる。
ーーーなぜ、彼女はこの場所に?
誰もがそう怪訝に思うだろう。
それほどまでに、この場所にいるには、彼女は不釣り合いだった。
この場を支配するのは、
男の呻き声。
香る血の臭い。
だと言うのに、彼女は微動だにせず平然とした態度でその場に佇んでいた。
一般人なら恐怖や不快感で顔をしかめるであろう場面でも、動じる様子は見られない。
傍観者。
その言葉がピッタリ合うだろう。
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