第5話



秩序や法。




そんなものは、この場所では意味などなさないし、有って無いようなもの。




「た、助けてくれ、」



「あ?聞こえませ~ん、」



「お楽しみは、これからだろ?」




どこかで、誰かが助けを求めて泣いている。




そんな場所。




きっと、普通の人なら敬遠する所なんだと思う。





「ーーー月。」


 


薄暗い路地裏を、満月に近い月が照らし出す。





その月明かりの下、不釣り合いなフードを被った姿がそこにはあった。

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