第44話




そんな何気ない光景に、思わず笑みがでる

それと同時に、この光景を壊したくない

大切な二人にはずっと笑顔で居て欲しいと思った





「莉衣?」



「んー?なーに碧?」



「…ううん、なんでもない。今日はどうするの?」



「うーん、ちょっと調べ事しなきゃだめなの」



「じゃあ、あの部屋使う?」



「うん、そうだね、飛鳥悪いけど何か軽食とカフェオレ、後で持ってきて貰ってもいい?」



「うん、わかった、できたら持っていくね」





奥のキッチンへと消えていく飛鳥を確認してから、碧に声をかける




「碧、ちょっとね、お遣い頼まれてくれる??」



「うん、いいけど、どっちの?」



「うーん、ちょっと今回は慎重にお願いしたいんだけど、クロサギになってくれる??」



「うん、わかった」



「今私が外に出るのはちょっとリスクが大きくてね、私の変わりにこの人の所に行って貰いたいの」





そう言いながら一枚の紙切れを碧に渡す




「......俺、こいつ嫌い」 




とその紙を見た瞬間、顔を歪める碧に莉衣は苦笑いした




「そんな事言わないの、ね?どうしても欲しい情報があるの

呉羽ならきっと知っている筈」



「そんなの莉衣がパソコンを使ったらすぐじゃん」




と不貞腐れる碧




「今はね、ちょっと無闇にパソコンを使えないの」



「......」

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