第17話:ゲームby男子3人
いつもは押す機会のないエレベーターの6階のボタンを押すことに新鮮さを感じつつ、僕たちは凪くんの部屋についた。
そのタイミングを見計らったかのように凪くんが玄関の扉を開けた。
というか、祐希くんが来すぎてるせいでほんとに見計らってる説はあるか……。
「「おじゃましまーす」」
「蒼汰くんいらっしゃいませー」
「あれ、俺には無いのか……?」
「祐希はいつもお菓子のごみ置いてくからなぁ」
「さて、なんのゲームする?」
「恐ろしくはやい話題転換……僕じゃなきゃ見逃しちゃうね……いや、誰でも分かるか」
「おいそれ遅いってことじゃねえか」
そんやことを話しながらも、凪くんはゲームの準備を進める。
そして起動したのは──アニマルカートだった。
「うっわすっごいなつい」
「『なつい』ってことは……さては蒼汰、最近やってないな?」
「デラックスになってからは0だね〜」
祐希くんの言葉に僕がそう答えると、祐希くんと凪くんが困ったような面持ちで目を見合わせた。
「……ちなみにアニカー上手いほう?」
「うーん……まぁオールラウンダーのゲーマーだからそれなりには?」
「『それなり』、かぁ……」
僕がそう答えると、2人はまた目を見合わせた。そして今度は凪くんが口を開いた。
「……やっぱりスマシス、しよっかな」
そう言って凪くんは、大混戦スマッシュシスターズのカセットを取り出した。
「え、なんで? 旧作はそこそこやってたしアニカーできるよ?」
「いやぁ……ね」
「その、なんていうか、僕たちが勝っちゃうかなって」
……。
はあーーー!?!?!?!?
もしかして今、僕ナメられた!?!? 生粋のゲーマーの僕を!?!?
「ふ、ふふふ……」
「おおーと凪選手、蒼汰選手を煽ったぁー! これには蒼汰選手、乾いた笑いをこぼすしかないー!」
「いやいや煽ったわけじゃ……! っていうか、それは祐希も同罪でしょ!!」
「凪選手、ジャッジにも文句を漏らすー!」
「文句じゃないけど!?」
「ふふ……ゲームは違うとはいえ、これでも僕はゲーマーなのだよ……負けず嫌いの、ね。一勝負、しようじゃないかい!」
「き、きたー!! 蒼汰選手、凪選手に勝負を持ちかけたー!! こ、これに対して、凪選手は──」
「──フ、いいだろう、その勝負受けて立つよ。負けても泣かないでよね?」
「ゲーマーだよ? 泣き言は言わないさ──」
あそこまで煽られてはゲーマーの名が腐るってものよ……。
負けるものか! ゲーマーの名にかけて!!!
これがフラグになるなんて、この時の僕はもちろん予想していた──。
◇◆◇
「うわああああああああん!!!!!! 負けたあああああああ!!!!!」
「泣き言言わないんじゃなかったの?」
ボロッボロに負けた。いや、2位ではあるんだけど……あと何年やっても追いつけない差っていうのを体感したね……。
「さて、あれだけ高々に宣言しておいて、見るに堪えないほどボロボロのギタギタのメッタメタに叩きのめされた蒼汰選手」
「さすがに酷くない?」
「今の気持ちをどうぞ」
今の気持ち……うん、そんなの決まっている。
「スマシスしよ?」
「「おいプライドどーした」」
ちなみにこのあと行われたスマシスは、罵詈雑言の嵐の中戦い合って、めちゃくちゃ楽しかった。
これが青春か……いや青春にしては引きこもりすぎるか。
《あとがき》
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