同じ高校に通うことになったネッ友2人は、絶世の美少女でした〜高校で堂々と迫ってくるんだけど、周囲の目がヤバいのでやめてくれませんか!?〜

もかの@NIT所属

プロローグ

「しゃあ! チャンピオン!!」


『ナイスー!』


『そーた強い』


 大人気FPSゲーム、Apaxエパ1位チャンピオンを獲得し、通話越しに称賛の声が飛び交う。


 僕──神村かみむら蒼汰そうたも、通話の先にいるネッ友の女子2人に「ナイスー!」と返す。


「まだ夜の10時だけど……今日はもう終わろっか」


『えー、いつももうちょっとしてるじゃーん!』


『ん……。あと、5時間くらい……?』


「いつもならいいけど、みんな明日入学式でしょ?」


 そう──僕たちは明日から高校生としてデビューするのだ。さすがにそんな時にまで、深夜までゲームをするわけにはいかないからね。


『あぁ〜そうだったっけ?』


「まさかの覚えてなかった!?」


『私は……覚えてた、よ?』


「覚えてなさそうな反応だね……」


『だって……行ってなかった、から』


『にゃはははは……ま、そういうことだね』


 そんか言葉を聞いて僕は思わず言葉が詰まる。


 ──彼女たち2人は、中学の時不登校だったのだ。それぞれ違う理由があるらしいが……っと話が逸れた。


 そんな過去を持っていながら、彼女たちは高校からは学校に行くと決めた。


 なぜなら──。


『で、でもでも! 高校はなんだから絶対行くもん!』


 なんの奇跡なのか、はたまた神のいたずらか。なんと3人とも東京都内で、八王子市で、進学先は市内にある私立高崎高校というのだ。


 いやほんと……偶然どころの話じゃないよね。


「──うん、そうだね。それで、明日は高崎公園集合でいいんだよね?」


『うん! あのおっきいマンションの近くにある場所でしょ?』


「そうそう」


『おけー! 外出るの2年ぶりだけど』


「迷子ならないでね」


『がんば、る……』


「迷子予備軍もう一人いた!?」


 僕のツッコミが入ったところで、通話もお開きとなった。


 さ、明日の準備をして、僕ももう寝ないとね。


 そう思った僕は歯磨きをしに、洗面所へと向かうのだった。




 この時の僕は知る由もなかった。まさかあの2人が、想像を絶するほどの超美少女であることを──。

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