姉
夢美瑠瑠
第1話
9月29日に、実姉が永眠した。
まだ64歳で、急だったので、驚いた。
随分前から病気らしいことは知っていたが、事情があって連絡が絶えていたので、いずれ快癒する病気かと思っていて、また仲直りできるかな?くらいに楽観してたので、悲痛な思いです。
姉は、母もそうですが、生来明朗なたちで、おとなしいボクとは対照的に活発で社会的な性格だったと思う。
二児の母で、隣の大阪府に嫁ぎ、最近までヘルパーみたいな仕事をしてました。
だいたい15歳くらいまでは、姉弟だから日々起居を共にしていて、無数に思い出はあります。だからこまごま書き出すときりがないけど?だいたいにごく小さいころは上の子の常として、後から来た弟がちょっと邪魔で?意地の悪い姉という趣きも強くて、喧嘩ばかりしていた。成績がいい弟、しかもこましゃくれた嫌な餓鬼だったから余計に葛藤もあったんかな?とか思う。
が、成長していくとだんだん優しいお姉さん、という雰囲気が強くなって、ことあるごとに庇護してくれるようになった。ボクと違い、人の気持ちをよく忖度できて、そういう全人格的な成長で、弱弱しい社会的な弱者の一人として、自分を守ってあげようとしてくれていたんだと思う。
近所に、ALSになった従兄がいて、姉は、その人のところにも看護師のように世話をしてあげて、「病気になった人とかは余計に面倒見てあげないとあかん」と、世間の常識の逆のことをよく言っていた。
最近に疎遠になっていたのは、幾星霜あって、そういう姉の乙女時代の清純な天使っぽい性格が?なんというか世間との様々な葛藤の中で、ドライで、冷酷な、大阪のおばはん?みたいな(失礼)感じになっていったという、そういう事情もあるが、まあこれは自分の側の言い分です。
ですが、姉は、ボクが小説とかを書いていることを知っていて、喜んで、励ましてもくれた。パソコンにも強くて、交友関係も広かったみたいです。甥や姪も賢くて立派な社会人に育っていた感じだったです。
なにしろ、姉と会えなくなって、ボクは精神を病んだひきこもりになって、ゆっくり話す機会すらなくて、まるで今は「安寿と厨子王」という、鴎外の「山椒大夫」の話みたいになってしまっている…
自分の人生はなんとかハッピーエンドにしたいものだ…
ありがとう。ほんまにおおきによ!どうぞ安らかに。と、言いたいです。
合掌。
姉 夢美瑠瑠 @joeyasushi
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