第2話 チュートリアル①

『宇賀神様…

宇賀神様…!』


そんな声に僕は呼び起こされました。


「こ、こは…?」


見たことも無いホテルの一室の様な部屋のソファに僕は座っていました。

対面には、白い仮面を被った女性がパソコンを膝の上に置いて座っています。


「ま…さか…

ここってゲームの中…です…よね?」


『ご理解がお早くて助かりますわ。

私はSecret Of Sky Worldの案内人のジェイと申しますわ。

よろしくお見知りおきくださいませ。

以下では、Secret Of Sky Worldの事をSOSと呼びますので、ご了承ください。


さて、これからはチュートリアルでございます。

もちろん、全スキップする事も可能な訳ですが…


どうされますか?』


「いえ、聞きます。」


ここで、全スキップなど馬鹿な選択肢をするプレイヤーが居るのか、謎です。

チュートリアルはゲームの肝ですからね。


しかし、本当にゲームの中に入ったとは…


志田が言っていた事は本当だったのですね。


『では、ご説明致しますね。

まず、ゲームの舞台となるのは、54の空島が浮かぶ空の世界ですわ。

まず、初心者のプレイヤーの皆さんは基本的にはビギナーズ島に転移させていただきます。

ビギナーズ島では、初心者グッズや初心者のダンジョンなどありますので、そこでレベルを上げるといいでしょう。


まずは、ゲームの目的ですが…

この世界は何もせずに居ると、27年後に滅亡してしまいます。

プレイヤーの皆様には、それを食い止めるべく空の旅に出ていただきます。


プレイヤー様がこのゲームから脱出する方法は一つ。

メインストーリーを最後まで進めて、世界の破滅を止める事、でございます。


もしも、全ての空島の謎を解き明かし、世界の滅亡を止める事ができれば、あなたは元のくだらない世界へと帰る事が出来るでしょう。

ちなみに、元の世界に戻ると、賞金10億円が受け取れます。


夢がございましょう?

オホホッ!


失礼しました。


とにかく、タイムリミットは27年ですので、お忘れなく。

なお、ゲーム内の時間は現実世界と同じく一日24時間で経過しますが、年は取りません。


さて、ここまで何か質問ございますか?』


「僕は相田花梨あいだかりんというプレイヤーの代わりにこのゲームに入ったのですが、彼女はどうなったか、教えてもらえますか?」


『ご安心ください。

相田様ならもうすでにこのゲームを離脱しておりますわ。

途中離脱の場合はゲーム内の記憶は全て消させていただいておりますけどね。』


「なるほど。

説明の続きをお願いします。」


『さて、ゲーム内には、ダンジョン、街、平野、そして、空港がございます。

ダンジョンはモンスターが蠢く危険な場所です。

街は買い物や休憩などが出来る安息の地ですね。

平野はダンジョンほど危険では無いですが、多少雑魚なモンスターが出ますわ。

最初のレベル上げにも良いかもしれませんがね。

そして、空港、これは飛行船の停留所ですね。

基本的には街の中にありますが、平野にある場合もありますので、良く街の人から情報を集める事が肝心です。


さて…

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