第9話:俺はこの事故で死ぬんだ。

「やっぱり間違ってんじゃん・・・インチキ死神」

「ケイちゃんの魂は渡さないから・・・」


「因果な商売って自分でも思いますけど、もう慣れちゃってますからね」

「納得していただいた上で、また魂を頂きに参ります〜」


で、俺のことは一旦保留ということでハミルトン西島は帰っていった。


「あいつの言ってることがほんとなら、俺はベルと長く一緒にはいられ

ないんだ・・・」

「せっかく今後の俺たちの未来に希望を抱いて喜んだのにな・・・」


「そんなの嫌だ・・・ケイちゃんは絶対死なせない」

「まだエッチしてないもん、エナジーだって分けてもらってないし・・・」

「今度あいつが戻ってきたら袋叩きにして追い返してやるから・・・」


「相手は死神だぞ・・・そんなことしていいのか?」


「いいの・・・どうせあいつだって家庭に帰ったら奥さんの尻に敷かれてる

んだから・・・」


「あ〜人間の世界も死神のいる世界も同じなんだな・・・」

「それは旦那の宿命かな・・・俺もそのうちそうなるのかな」


「なに言ってるの・・・私は旦那様を尻に敷いたりしないよ」


「でもさ、嫁の重い尻にしかれてるほうが家庭は平和だっていうぜ」


「いいの?私のお尻重くないし・・・」


「たしかにな・・・ベルはの食べたくなるくらい丁度いいプリケツしてるわ」

「だからエッチしようよ」


「最後の晩餐か・・・」


「なにバカなこと言ってるの」


次の日、俺はハミルトンの言うことを無視して会社に出かけようとした。


そしたらベルが私も俺の会社について行くって言いだした。

嫌な予感がするんだってよ・・・。

いつもはおとなしくマンションで留守番してるのに今日に限って、行くんだ

って駄々をこねた。

まあ、会社に連れて行ったって別にいいけど・・・。


だから俺はベルを連れていつものよう会社に出勤した。

チンチン電車に乗って・・・。


そしたらチンチン電車が走ってる前に、いきなりトラックが暴走してきた。

チンチン電車はその車にクラッシュして横倒しになったみたいだ。

突然だったので、俺はなにが起きたか分からなかった。

相手の車がどうなったかなんてそんなこと見る余裕すらなかった。


で俺とベルは座席から投げ出された・・・かなり前まで飛ばされてその勢いが

ハンパなかったから俺は死んだって思った。


「ベル!!」


そのとき、一瞬だけどハミルトン西島の言ったことが頭をよぎった。


「あなた、明日あたり寿命ですよ」


俺はこの事故で死ぬんだ。

死神の言ってたことはこれなんだ・・・本当だったんだ。


でもベルは?・・・俺の巻き添えを食って彼女も死ぬのか?

そこで俺は気を失った。


で、気がついたのは病院のベッドだった。

最初、俺はどこにいるのか分からなかった。

だから、死んで天国か地獄にでも来たのかと思った。


って言うのも、頭を起こしてふと横を見るとハミルトン西島が立ってた

からだった。

そしてハミルトンの横にベルがいた。


つづく。

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