もう効かないんだったね

天川裕司

もう効かないんだったね

タイトル:もう効かないんだったね


「ごめんねほんと。私の家なのに、紅茶なんか入れてもらって」

「ううん、気にしないで。私、紅茶の入れ方うまいんだから」


私は今日、マサミの家に来て、

紅茶を入れてあげた。


マサミとは長年の親友だった。

1人の彼をめぐって彼女と

仲違いしかけたこともあったけど、

それでも親友だ。


「はいどうぞ♪」

「ありがとう〜♪う〜ん良い匂い」


又これまでのことをたくさん喋り始め、

彼女と一緒に歩いてきた人生を

振り返ったりしていた。


「お互い、大変だったね」

「そうね。でも彼だって浮気してたんだから」

「そうよね。生きてる人には、やっぱり限界があるよね」

「限界?」

「うん。把握することに限界がある、って」

「ああ、なるほど」


時が経つのを忘れる。


「彼、やっぱりああゆう末路をたどったわね」

「ふふ、悪い事して生き延びようなんて…」

「でも私たちだって…」

「私たちは彼に先にされたんだから…」

「でもマサミに対しては私の方が先に…」

「フフ、別に良いのよ。もう終わったことだし、佳子もそれなりに責任とってくれたんだから」


また、時が経つのを忘れる。


「でもこれどうしようか。…って考える必要もなかったんだっけ?」

「そうね。誰かがここへ来ても、私たちの姿って見えないんでしょ」


「…なるほど。そうね。ここに横たわってる私たちの姿しか…」

「あ、これ、またなんか入れたの?」

「え?」

「ほらこれ、あの時と同じ食感がしたわよ」


「ああごめんなさい。大丈夫なの知ってたから、ちょっと試してみようかなってw」

「もうやめてよ〜。まぁ確かに効かないんだけどね」

「限界突破ってことかしら」

「そうね。聞こえは良いけど、そんなトコだろね」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=ehALlJllO2I

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もう効かないんだったね 天川裕司 @tenkawayuji

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