第2話 売り


某有名な公園では

立ちんぼが流行していた。


大人の男性に声を掛けられて

交渉して、ホテルへ行く。

交渉はもちろん、自分の対価。


まだ私は16歳で

法律なんてアウト、立ちんぼもアウト。


それでも身を飾って

携帯を弄る。


素振りというか

出会い系でマッチした人を探す。



「あ…る、るいちゃん?」


「はいっ!」


ニコッとして返す私の笑顔は

きっと笑っていない。


心から笑ったなんて

あったっけ?


「いくらなら…」


「大丈夫だよー、ホテル行こうかっ!」


値段交渉も成立し、ホテルへ向かう。




あれ?

私の初体験っていつだっけ?


忘れちゃったよ。

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