殺人体験談

リアス

第1話殺人鬼植田瑠夏その1

私が初めて人を殺したのは17の時です。

ただ殴られるのが痛すぎて咄嗟に教室に飾られていたトロフィーを振り回した時にゴン、という鈍い音が鳴って女が倒れました。


あの女を確実に殺せるようにわざわざ角が当たる様に両手でしっかりと握って殴った。

痛みを感じたのか分かんないけど、倒れた女の目は閉じようとしなくて死んだのだとその時思った。


その瞬間に心臓が信じられないくらいにバクバクとなってこれから訪れる未来が、私にとっての過去が走馬灯の様に流れて来ました。

殺してしまった以上いじめに対する正当防衛でも最低でも5年は入るんじゃないだろうか、刑務所を出ても人殺しと言われ続けるんじゃないか、お母さんと姉さんはどんな思いをするのだろうって。


うざかったあの女を殺せて嬉しすぎて泣いて喜んだのを覚えている。

捕まる事を考えたがもともとバレる気はないしバレても1人でいじめられていたという事情を考慮して、刑法第66条が適応され懲役7〜10年が妥当だろうと踏んでの殺害だった。


あの時は錯乱していてまともな判断は出来ていませんでした。

手袋をつけてからカーテンで閉め切って人が入れない様に鍵を閉めました。

 

女の服を脱がせてそれを常に持っていたポリ袋に入れた。

無性に腹が立って裸になった女の腹を踏みつけた。

いつか見た女の親の顔が浮かんでさらに腹が立ったので剛毛の股に箒を刺しておいた。

その上から踏むと案外箒の感触がわかって死んでてもこいつは気持ち悪いなと思った。

その後に後ろの棚の裁縫セットの針で色んなとこを刺してみたけど胸を刺した時が1番楽しかった。

いくら殴っても蹴っても呻き声すらあげない、私にとって最高のおもちゃだった。


服は部活用に着替えてトロフィーはリュックに入れました。

 

教室の鍵は山岳部の嫌いな奴のロッカーに隠しておいた。

 

いつも通りを演じろと頭で唱えながら電車で家より二駅先の降りました。

そこは秘境とも言えそうな山奥の無人駅でそこのすぐ近くにあるよく遊んだ河原沿いの秘密基地に向かいました。

スマホのライトで照らすとそこは不法投棄されたゴミばかりのほら穴の奥にトロフィーとゴミ袋を見えぬ様に捨てました。

もう一度電車に乗って家に帰るとその日はお母さんと姉さんがすき焼きを作ってくれていました。こんな優しいお母さんと姉さんを泣かせるのは悲しかったです。

最後の晩餐だなと思いながらも美味しい、美味しいと言って涙が出ない様にするのに必死でした。


その日は母と姉がすき焼きを作ってた。

卵アレルギーの私にすき焼きの卵を出してきてニヤニヤしていたのを一生忘れない。

嫌がらせを無視して卵無しで食べた肉は殺した後だけど何にも変わらないなと思いながら食べた。


食べ終わってお風呂に入ると思い出して何度も嗚咽が出て涙が止まらなかった。

人を殺した自分に訪れる未来が恐ろしくて恐ろしくて耐えられなかった。

でも少し、もう辛くないのかもと思うとホッとした自分がいました。


その後姉と母の殺し方を考えていた。

その時に私をおいていく旅行の際にブレーキのホースを切る方法を思いついた。

完全に切るとバレるのでブレーキオイルが少しずつ漏れるように細工しようと。


寝る時は自分が死ぬ時が怖くて寝れませんでした。

こっちで私に殺された女が私が死ぬのを待っているのではないかという妄想に取り憑かれていて気づくと朝になっていました。


女の股に刺さった箒を思い出して興奮して寝れなかった。

その日したオ◯ニーはいつもよりずっと気持ちよかった。


次の日は普通に学校に向かいました。

私が死んでしまうのではと思うくらい心臓の鼓動が酷くうるさくて着いてすぐに門の前に立つ先生に体育館に行くように指示された時に驚きすぎて先生が逆に驚いていました。

先生達が車を止める駐車場には何台ものパトカーが見えました。


その時、酒鬼薔薇聖斗の様に校門に生首に紙を咥えさせておいておけばよかったかと後悔しました。


着くと既にほとんどの生徒が到着しており他の生徒の到着を待っている様でした。

焦りで冷や汗が止まらず、人生で1番苦しい空間だったと思います。警察が視界の端に入るたびにドキッとしながら体育館へと入りました。


「おはよう奏美。」

「瑠夏やっと来た!聞いたあの話!」


 話しかけられた友達付き合いをしている人とこの一言だけなのにいい感じに話せていると、自画自賛した記憶があります。


「めっちゃ警察いたのなんかあったの?」

「あんまりおっきい声で言う事じゃないけど…B組の影山さん殺されてたらしいの。あっちゃんが朝見つけたらしいの。しかもなんでか服を脱がされてたらしいの。」

「えっ!!嘘…それ本当に言ってるの?犯人は、もう捕まったの?」

「それの事も多分これで言うんじゃないかな…私が知ってるのあれだけだし。」


それを聞いて内心ホッと胸を撫で下ろしました。

もちろん完全に安心できるわけではなかったですが、些細とはいえ心の支えのように感じれる存在でとてもありがたかったです。


バレてなくて当然だった。女は巧妙に私へのいじめを隠して1人で楽しんでいる家族のような真性のゴミクズだった。私が殺すなんてありえるわけがない。



「あ、あ、皆さん揃ったようなので緊急の全校集会を始めます。校長先生、お願いします。」


 そういうと壇上に上がった校長先生がお話を始められました。


「何が起きているか知っている生徒もいる事でしょうが、大変ショッキングな事件が本校で起こってしましました。

 実名は避けさせてもらいますが、本校の生徒が、何者かによって殺害されているのを早朝、女生徒が発見し警察に通報しました。

 犯人は衣類を脱がせ蹴るなどの暴行をした後、鈍器で殴るなどして殺害し逃走したと見られています。

 死亡推定時刻は18時30分から19時であると推定されており、犯人は未だ見つかっておらず生徒の中にいる可能性もあると言う事です。」


6時以降にはほとんどの生徒は部活が終わり丁度下校時間のためアリバイが取りづらいかったのだろう。

とっくに下校していることになっていた私は関係のない話だった。


「一旦皆さんにはひとりずつお話を聞いて、その後下校とします。マスコミ各社からのインタビュー等される場合もあるでしょうが皆さんは『分かりません。』ときっぱりと何も話さない意思を見せてください。」


マスコミにこの話が乗ることに強い焦りを感じました。

載せないようにするためにわざわざあんなことまでして来たのに…と思った私はいけませんでした。


ここで私は一つ目の危機である事情聴取へと向かう事となりました。

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