第10話 薄ら陽
1975年より、【もう一つの太陽】が定期的に出現するようになった。
1975年某日の午前9時。限定的な地域で二つの太陽が確認された。二つの太陽は互いに似通っており、大きさも完全に合致していた。しかし、フランスやブラジルなどの特定の地域に住む人々しか二つの太陽を観測できておらず、当初は集団で引き起こした幻覚じゃないのかと疑われていた。
"もう一つの太陽"はこの日以降、二年置きに全く同じ時間に必ず現れ、六年後にようやく"もう一つの太陽"の存在が認められた。
"もう一つの太陽"は、出現を重ねる内に段々と赤みを増していき、判色法を使った予言との関連性が考察された。
世界各国の政府は、"もう一つの太陽"に対して特別な対策は取らず、このまま見守る事を決めた。
この判断に、いち早くフランスで反対運動が起こり、その異常な苛烈さによってフランス政府は陥没した。
ロシアでも同じような反対運動が起こったが、依然世界各国の政府は"もう一つの太陽"に対する方針は変えないと主張している。
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