第22話

◇  ◇  ◇  ◇







食後のコーヒーを辞退した私は、おじさんにキッチンの使い勝手の説明と家事室の洗濯機の使い方の説明を受けた。





キッチンは何年か前にリフォームしたらしく、予想以上に設備が整っていた。





家事室も同様に、現代風の乾燥ができる洗濯機、アイロンがけの為のアイテム、掃除用具一式にいたるまで、全て私でも使いこなせるような物ばかりだった。





おじさんに頼らなくてもある程度の事は1人でできそうだと分かり、私は内心胸を撫で下ろしていた。





独身の男の人と同居なんてマトモじゃないと思っていたけれど、ここでの生活は同居というより合宿や寮生活みたいな感じになりそうだ。





一緒にいるのが気まずいと思うほどの狭さではないし、もしかしたら、1日中顔を合わせない日もあるかもしれない。





ある意味、規則に縛られる寮生活や、友達と狭い部屋でルームシェアをするより、快適ともいえる。










1階の家事室を後にした私達は、紺色の絨毯の敷かれた階段を上がった。





磨かれた手すり。





踊り場から見る玄関ホールの光景は、どこかの老舗ホテルのエントランスを思わせる優雅さ。




生粋のお嬢様にでもなったような気持ちで階段を昇りきると、階段のものと同じ絨毯が敷き詰められた長い廊下が現れた。

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