1.再会

第1話

通りを行き交う人々を遠目で眺めながら、私は、駅前で迎えが来るのを待っていた。





時間は午後の6時半になろうとしている。





「はぁ…」






思わずついたため息は、決して、待ちぼうけをしている所為ではなく。






いよいよ来るべき時が来てしまった……その憂鬱によるものだ。








なにがそんなに憂鬱かというと……。







これから私を迎えに来る人とは、殆ど面識がないという事実。






そして。






そんな人間と、これから始まる大学生活4年間、1つ屋根の下で共に暮らさなければならない事。







ホント、何度考えても理不尽。







こんな状況に置かれて、憂鬱にならないわけが無い。







けれど……それはもう、決まってしまった事。







事の始まりは2週間前に遡る。

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