第4話 第一王女「ステナリア・スカシユリ」

俺が紅茶を飲んでいると声が聞こえてきた。


 「兄様!やっぱりここでしたか!」


 ベランダに繋がっている室内の扉から白髪、青目の女の子の声がした。そしてこの声の主は俺の妹の「ラノア・シュラスト」歳は俺の二つ下の八歳、前世では一人っ子だったので妹が居る生活はとても楽しい。


 そしてラノアも青目を持つ超人として生まれた。

 

 「どうしたんだい?ラノア」


 「ステナリア王女に兄様を呼んでと言われました!」


 「おぉ、もうそんな時間か・・・」


 俺は飲んでいた紅茶を机に置き、机の横に置いていたカバンを手に取って、室内へ入った。


 「なんで兄様はいつもここに居るんですか?」


 「ん?あ~・・・ラノアも大人になったら分かることだよ」


 俺がそう言って頭を撫でるとラノアはほっぺたを膨らました。


 「兄様だってだってまだ子供でしょ!!」


 ラノアはそう言って俺を追いかけて来たので俺は逃げながら目的地である王宮の入り口に向かう。


 こちらに来るラノアをかわし、部屋から出て、階段を降り、人が集まっている所へ行く。


 そこは王宮の入り口で大勢の大人に囲まれている1人の女の子と目が合った。


 「はぁ~、ようやく来ましたかディア。ラノアここまでありがとう」


 俺はラノアに追いつかれ背中を叩かれていたが、目の前の女の子がラノアの名前を言うとラノは俺の背中を叩くのをやめて、ぷんぷん顔が笑顔になった。


 「ステナリア、俺の妹はなぜこんなにも笑顔になってるんだ?」


 「それはもちろん、私のことが好きだからでしょ」


 胸を張って言い張ったステナリアと言う人物はこの国「スカシユリ」の第一王女の「ステナリア・スカシユリ」。黄色の髪をした俺と同い年の王女だ。


 俺はこいつの本性をラノアに言うことにした。


 「ラノアよく聞くんだ。こいつはラノアや公衆の前ではこういう王女を演じているが、俺の前だとこいつは暴言、暴力お化けに・・・」

 

 俺が最も重要なことを言おうとした時に後ろから首を掴まれ、連れ去られた。


 「あらあらディア?何を言っているのですか?早く行かないと遅れてしまいますよ」


 「お前っ...やばい...死ぬ!本当に死ぬ!お前の力は本当にやばい!」


 俺の首を掴んだのはステナリアだった。そしてなんで俺がこのような反応をしているかと言うとそれはステナリアの目が関係している。


 ステナリアは俺と同じオッドアイの持ち主で目の色は、赤目と光目。身体能力が高く、回復魔法が使える。ステナリアの両親の国王は赤目、王妃様は光目。


 身体能力は運動神経だけでなく、握力なども強化されるため、常人よりも強化された握力は俺の首を死ぬ寸前まで追いつめていた。


 そして俺はステナリアに引きずられながら馬車に乗った。そして馬車に乗るとステナリアから解放された。


 「ディア、お前なら必ず学園を首席で卒業できる。頑張れよ」


 「はっ、何を言う。今回は負けたが次はステナリアが首席で卒業するに決まってるだろ」


 「お前こそ何を言う。ディアは俺たちの子だぞ」


 「はっ、ステナリアは俺たちの子だ」


 そう言いあっているのは、今世の俺の父であるシュラスト家当主「マナガス・シュラスト」で、言いあっているもう1人は「スカシユリ」の国王「ユリウス・スカシユリ」


 この2人は同じ歳で学園では父さんが首席で、国王が次席で卒業したらしい。


 「まぁ、任せてよ父さん。こいつに負けるわけないよ」


 「流石、俺の息子だ」


 俺と父さんはそう言って、グータッチをした。


 「ステナリア、必ずディアに勝てよ!」


 「えぇ、任してください」


 国王がステナリアにグーの手を差し出し、ステナリアもそれに合わせた。


 それからも俺とステナリア、父さんと国王の言い争いは続いた。すると・・・


 「「いい加減にしなさーい!!」」


 俺の母さんとステナリアの母さんである王妃様が息を合わせて言った。


 そこで俺たちは言い争いから抜け出すことが出来た。


 「う"う"ん。まぁ、2人とも、学園では学び、そして楽しい生活を送ってきてくれ」


 「「はい」」


 俺たちがそう言うと馬車は進みだした。


 俺は窓から皆に手を振った。そこにステナリアが俺に乗りかかり、皆に手を振った。そこで俺は国王がサムズアップして、それを見たステナリアもサムズアップしているのを見てこの親子「やばぁ」と思った。

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