目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ

北猫新夜

第1話 死亡

ようやくここまで来た。大物社長の秘書になれた。


 親の仕事が秘書だった俺はその秘書と言う職業に憧れた。それから苦手だった敬語や礼儀を学び高校生から秘書検定を受けるようになり22歳でようやく秘書検定1級に合格した。


 そして大物会社が秘書募集をしているのを見て応募し俺は見事受かった。


 今日は初めて社長と会う。


 「おぉ!君が今日から儂の秘書か!」


 扉から入ってきたのはおじいさん。だけどこの人がこの会社の山田社長。


 「初めまして。今日から山田社長の秘書になります、縁ノ下 事力と申します」


 俺はそう言ってお辞儀をした。


 「そう言った堅苦しいことはしなくてよい!それよりちょっと散歩に行かないか?」


 「はい」


 こうして俺の初めての秘書仕事は散歩になった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「君を見た時は驚いたよ。秘書検定1級を持っているなんて」


 散歩をしていると山田社長がそう言ってきた。


 「父の仕事が秘書で憧れていたんです。その父を超えるために1級を取ったと言いますか...」


 「おぉ!御父君を超えるために...御父君の名前はなんて言うんだい?」


 「私の父の名前は・・・」


 「やまだぁ"ぁ」


 俺が山田社長に父の名前を言おうとした時、後ろから社長の名前を叫ぶ声がした。


 そして俺が振り向くと男がこちらに走ってきていた。その手には包丁が握られている。


 俺は社長の前に出て男が来るのを持った。


 「じゃまだぁ"ぁ」


 男は包丁を大きく振りかぶった。俺はそれを見て男に突進した。俺の考えはこの突進の反動で男は手に持っている包丁を手から離す、これが俺の考えだったが男の体は頑丈...いや俺の細い体の突進では考えどうりにいかなかった。


 そして男は突進した俺を捕まえて上から俺の背中を刺した。


 「あ"ぁ"ぁっ」


 俺は背中を刺された痛みで立ち上がることが出来なかったが、男の左足を捕まえることができた。


 「てめぇ"ぇ」


 そう言って男は俺の手を蹴ったり、俺の顔を蹴ったりして・・・


 「じゃまなんだよ"っ」


 男はそう言ってまた俺の背中を刺した。だが今回は前回とは違い刺されたところは、心臓だった。


 「あ"」


 俺は刺された瞬間、手の力が抜け男の足が俺の手から離れて山田社長の方へ行った。


 俺の薄れゆく意識の中で見えたのは、駆け付けて来た警察に男が捕らえられている姿だった。そして手には包丁を握っていなかった。


 そして俺は二十二歳と言う若さで亡くなった。

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