第39話

『1人で来たんじゃなかったんだ。』



『襲われるって分かってる女の子を1人でのうのうと、行かせるはずがないよね。』





『話は終わり。ここ出るよ。』


私の手を引いて、出ようと足を進めるもう片方の私の腕を、朝日さんが引いた。










『…また、君は僕の元に戻ってくるよ。


いずれ、そんな男に耐えられなくなる。』






彼のこの言葉、柚月に助言されたことを思い出した。







『俺に早く来て、ってすげえ願ったでしょ。』


「…全然。」





『あんな不安な顔されたら誰だって、出てくしかないでしょ。


スるにしても、誰とでも良いわけじゃないって、身に染みて分かった?』



「それ、あなたが言えることじゃないでしょ?」



『ん?聞き捨てならないな、なにそれ』




柚月から聞いた噂話を、本人に話した。


そしたら返って来たのは『さすがに俺も、人は選ばせてよ。』って。





「2人、食い散らかしたんじゃないの?」



『李ちゃん、平然と凄いこと言うね。


それは間違った噂。

俺が持ち帰ったのは、1人。』




…平然と凄いこと言うね??


どの口が言う。



結局、食べたんじゃん。






『おっぱい大きかったからさ、その子。』




…今度こそ一発、殴っといた。



『嘘だよ。怒んないで。』

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