第37話

「…単刀直入に言います。


私と、別れてください。」




『理由は、彼?』




「彼はなにも関係ありません。


元々この関係を好意で受けたわけじゃなくて、でももう、このまま続けるのはしんどいんです。」





『僕が彼女と別れたら、考え直してくれるの?』



…元々、こう言う人だった?



子供が生まれてまだ1ヶ月も経っていないのに。







『…李は、僕なしで生きていけるの?』


「え…?」



『僕と体の関係がなくなって、耐えられるの?』




答えないでいると、朝日さんは『彼がいるから、良いってこと…』と、勝手な解釈をした。



好きだから、否定は出来なかった。






『彼の方が僕よりも良かった?』


「いや朝日さん…」



『李の中、狭かったって言ってたもんね?』






レストランで菅野 類が私に言った…言葉。



この人は何ヶ月も、根に持っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る