第34話

大丈夫じゃなかった、かもしれない。




「ちょ…っ、触んないで。」



『引き寄せただけじゃん。』



「それもやめて。」




『…下着付けてんのは褒めてあげる。


ちゃんと警戒してるんだ。』



偉い偉いって頭を撫でる手をぺしって音が鳴るくらい、叩いた。




「なんで?」


『すももは付けないから。』



…出たよ。


好きな人の他でのことなんか、興味ないし、吐き気がする。


何より、…色々と萎える。





「その、わざと匂わせるの本当にやめて。


…そんなの聞きたくない。」





そう言うと、私を寄せる腕の力が強まった。



伝わったんだろうか。









ごめん、その一言だけ聞こえて寝息が聞こえてきた。




本当に…何も無かった。



期待してたわけじゃないけど。





…ちゃんとしてるところは、本当にちゃんとしてるんだな。

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