第3話

彼らの事は、卒業すればすぐに忘れた。



勿論もちろん、2人とは違う学校に合格したし、元々クラスメイトってだけで対して、話したこともなかったから。





だから、



20歳の、成人の日。


中学の同窓会の案内が来ていて、久々に思い出した。




頭の片隅にあった、なんて事ない日常の一コマを。






『みんな、どう変わってるかな?

草部くさべとか、SNSで見たけど全然変わってなかったよ。

頭つんつんしてた。』




北条ほうじょう 柚月ゆずき


彼女も、中学の同級生。



今も、親交のある友達。





「柚月だって、変わってないでしょ?」



名前からも分かると思うけど、彼女はお偉い所のお嬢様。


仲良くなってはじめの頃は、お金持ち?いいなぁくらいにしか思ってなかったけど。


そんなこと、今は口が裂けても言えないし、思えない。




彼女には、既に将来を決められた人がいたから。






20歳になった今、柚月は既婚者になった。




『良い男がいれば、不倫でもしてやりたいんだけどね。』



「何言ってんの。

あんな惚気けてたくせに。」



『李ちゃん、羨ましい?』



ちゃんって…。


なんだかんだ、…幸せらしい。






[名前は?]



「柳原 李です。」

『菅野 すももです。』




「…」

『…』





…誰。

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