第3話

現在23時。


もうそろそろ終電が無くなる頃。



「さーて、今日はお開きにするか。」


「誰が誰送ってく?」





この飲み会のお決まりのパターン。



最後には必ず男が女を送り届ける。


1人で帰るの危ないしね。



最近この近くで痴漢多いし。




「七瀬くん、蓬頼むね。」


「任せな。」



微かに意識がある私は、1人で帰れないくらいには潰れてる。



これも毎回お決まり。




「今日は吐くなよ。まじでお前の家に何着俺の服あると思ってんだよ。」



私が吐く度、私の家でシャワーを浴びて服が乾くまで居るらしい。



家に着く頃にはもう何も覚えてない。





「…な、⋯なせ、やばい。」



言葉にするのもきつい。




「おまっ、まじでやめ……」









吐いたと思う。


絶対、七瀬の背中に。




それを示すシャツが脱衣場に干されてる。






「頭痛い…」

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