紳士の応援団

@zurui

第1話 俺の「天使達」

「よーし、今日もお前たちに会える時間だ!」

シンはワクワクしながらVRゴーグルを装着し、VRMMOゲーム「フリズスキャールブ」の世界に入る。そこには、彼が愛情を込めて作り上げた200体のNPC、「天使達」が整然と並び、彼を迎えていた。シンはその姿に目を細め、ニヤけながら彼女たちを見つめる。


「今日もみんな、可愛いな~。さぁ、俺のために頑張ってくれよ!」

シンにとって天使達はただのプログラムではない。彼にとってはかけがえのない仲間であり、ある意味理想の女性たちだった。ゲームのギルドには他のプレイヤーと一緒に入れる要素もあるが、彼はあえて天使達だけのギルドにしている。他人に気を使うのが苦手なのもあるが、やはり彼女たちとだけ一緒に戦うことが楽しいからだ。


「うふふ、お前たちを傷つけるなんて、俺にはできないよな。」

シンは心の中でデレデレしながら、天使達を眺める。彼女たちを前衛には出さず、あくまで後衛として守っている。そのため、自分が持つ最高ランクの重戦士ジョブ「止められぬ厄災」で、前線に立つのは彼の役目だ。防御力と攻撃力が高いジョブであり、彼女たちを守るのに最適だった。


「ギルド戦とかもいいんだけどさ、やっぱりお前たちとだけいるのが俺には合ってるよな~。」

シンは軽く肩をすくめながら、天使達を大事そうに見つめる。彼女たちを守るためなら、どんな敵とも戦う覚悟がある。だからこそ、自分ひとりが前衛に立ち、彼女たちを後衛で支えてもらうのだ。


天使達の配置を整えて準備ができると、シンはフィールドを見渡しながら満足げに言う。

「よし、今日は俺をたっぷり楽しませてくれよ、天使達!」

そして、彼はゲームの世界でひとり前線に立ち、彼女たちを守りながら戦い始める。他のプレイヤーから異端視されても、シンにとっては天使達と一緒にいるのが何よりの幸せなのだ。


しばらく戦いを楽しんだ後、シンはゴーグルを外して現実の部屋に戻る。朝日が差し込む中、まだ時間があるため、ゆっくりと出勤の準備を始めた。


「早く仕事終わらせて、またみんなに会えるのが楽しみだぜ!」

そう言いながら、シンはニヤニヤと微笑んでいた。彼にとっては、現実でもゲームでも、天使達がいつも心の中で支え続けている大切な存在だった。

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