28.明日を作るには

第28話

「あんな大きな台風は後にも先にも「伊勢湾」だけだろうな」

「何とかならないかというより何とかしようという気持ちが明日を作る、わしはあの時おまえに教えたはずだぞ!」

その時でじこが立ち上がった。

「尾崎先生の言うとおりだにょ!アキハバラをめちゃくちゃにされてこのまま引き下がるわけにはいかないにょ!」

「そうよ!まさかただの遊びでここまできたわけじゃないんでしょう?」

「みんなでなんとかするみゃ!」

「平田、おまえは「プロジェクトZ」で名古屋の町に光をもたらした男だ。もう一度「プロジェクトZ」やってみないか?」

「東大教授なら何とかするにゅ」

「まさか、私にピョンヤンへ攻め込めとでも言うんですか?」

「いや、それには及ばぬ」

「何と仰せられます?」

「実はこの事件は北朝鮮にやり方に偽装した、リーダーズダイジェストという雑誌の手口だということが分かったのだ」

「リーダーズダイジェスト?」

それは聞きしに勝る世界最大の反共雑誌である。しかもそのあくどい手口は世界中で非難の的になっていた。

「なるほどね、奴らなら濡れ衣でもやるよなあ」

しばらくした後、平田先生は立ち上がった。

「私もね、いつかはやろうとは考えていました。でもこの子たちを巻き込むわけには・・・」

「でじこは歴史を勉強するよりも平田先生と一緒に歴史を作るほうを選ぶにょ!平田先生!この言葉を忘れたのかにょ!」

でじこは平田先生からもらったサイン本「プロジェクトZ 街の輝きを取り戻せ!」の

サインページを開いた。

「自分なら必ずできると信じるものが最後に笑う 平田道明」

「必ずできると信じた平田先生とでじこたちが最後に笑うんだにょ!」

「歴史は自分たちで作ったほうがおもしろいにゅ」

「あたしもそうする!」

「みけもみゃ!」

「ぴよこも平田先生についていくぴょ!」

「ピョコラ様、それはあまりに危険なのでは?」

「でじこおねえちゃんだけに手柄を独り占めされたくないぴょ!ぴよこは平田先生を師と仰いでいるぴょ!おまえたちもぴよこと一緒に平田先生についていくぴょ!」

「君たち本気か?まかり間違えば全員生きてアキハバラや自分の国に帰れなくなるぞ」

「でじこはデジキャラット星を出る時に生きて帰れないことは覚悟して地球に来たにょ!でじこはデジキャラット星に生きて戻るより平田先生と一緒に教科書に名前が載ることを選ぶにょ!」

平田先生はまたもしばらく考えていた。

「平田、おまえがやらないなら、わしがこの子たちをピョンヤンに連れて行く」

尾崎先生がそうせかす。

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