71.コミケとパリ・コミューン
第71話
自由と平等の国フランス。
かつてローマ帝国の時代のこと。
セーヌ川に「シテ島」という島があり、そこにパリシー族という人々が
「ルテチア」という町を作って住んでいた。
その跡にノートルダム寺院が建った。これが後のパリである。
現在、フランスの道路原標はここノートルダムに置かれている。
その後、フランス革命などさまざまな歴史の、そして自由と平等への
人々の戦いの場となっていった。
1871年、世界最初の社会主義政権がパリに誕生した。
これが「パリ・コミューン」である。
労働者が自らの手で生活を守り、政治を行うのは世界で初めてのことだった。
だが、世界初には失敗が付き物。「パリ・コミューン」は実際にはパリの一部を
支配したにとどまり、パリの街角にはいたるところでバリケードがしかれた。
結局、「パリ・コミューン」はわずか2ヶ月で崩壊してしまう。
この「パリ・コミューン」の盛衰をはた目で見ていた一人の日本人がいた。
藤原家出身の公家で、後に総理大臣となる西園寺公望である。
彼は、民衆の力と希望とを感じ取ったのだ。
が、これと同じことがコミケで行われているのだ。
「パリ・コミューン」の失敗はあまりに理想化しすぎた運営にあった。
コミケもまた同じ、夢を追う事は大切だが、あまりに理想を追い求めて
現実を見ない連中が多いのだ。
だから、私はコミケはあくまで遊びとしてとらえ、現実とのギャップを
きちんと引いている。完全とはいえないが。
「パリ・コミューン」の教訓は現実を省みず、ただ理想ばかりに突き進むと
必ず失敗するということである。ロシアや中国の共産主義は現実との妥協の中から成立したものである。
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