1.町田の始まり

第1話

それでは、私の出身地、東京町田の歴史から話してみることにしよう。

確かに、町田は新宿や渋谷と比べたらいまだに寂れた街かもしれない。

しかし、町田は石器時代から人々が住み着いている歴史ある町だ。

町田の高ヶ坂に遺跡があるだろう。あそこはもともとごぼうの畑だった。

ところが、どのごぼうも50センチぐらい伸びると先が曲がってしまうので、

掘り返してきたら遺跡が出てきたというわけだ。

私が住んでいた鶴川団地も、造成のとき遺跡が出てきた。

ここは日当たりもよかったから古代人たちがすみやすかったのかもしれない。

この他、町田市内には縄文時代の遺跡が各地で見つかっている。

でも、弥生時代になると町田市内から急速に遺跡が消えていく。

水が豊かでも高台が多い町田には水田を作ることは難しかった。

水の利用が進んだ鎌倉時代になると、町田市の相原町、小山町を除く全体は

「小山田荘」という平家一族小山田氏の領地となった。

彼らの根城が現在の小山田町で、初代は朝廷に使えた忠臣だった事から

「忠生」の名が地名として残る。

このころ、全国の武士団が鎌倉へ向かう道として「鎌倉街道」ができた。

その鎌倉幕府の命運尽きようとするとき、新田義貞が町田で北条氏と戦った。

これが「井手の沢の戦い」(1333年)で、このときの古戦場は

現在の菅原神社として残る。

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