日本の金正日
第30話
しかしこの事件が起きるまで「ハッピーネットワーク」は順調に会員を増やし続けとうとう会員が500名を超えてしまった。これにH氏は自信を深めたのだろう、自分を賛美し支持をしてくれる会員以外「ハッピーネットワーク」に参加させない方針をとった。
私はこれを「ピョンヤンマンセー主義」とやゆしたが、怒りを通り越してあきれ果てていた。このため、反感を買った会員たちが続々と去ってしまい1999年には300人を切ってしまった。
私はその昔、ピョンヤン放送を聞いていたこともあり、独裁政権というのがどれほど恐ろしいものかということを感じていた。しかし、その声が届かなくなるのもまた独裁者の特徴である。
シェイクスピアの戯曲「リア王」をご紹介しておこう。
「リア王」は絶対専制君主でそれゆえに娘たちに殺されてしまうのだが、その「リア王」ですらも、道化者(ピエロ)をそばにおいて絶対専制君主である自分を好き放題からかわせている。実はこれが自分の間違いを客観的に直視し、戒めとする方法なのだ。
人間は誰でも間違いを犯すが、能力のない人間ほどそれを認めたがらない。だから人間は反対者を作っておくことが大事だ。いざというとき救われるのは反対者の謹言だからだ。
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